【第五列】(だいごれつ)

敵対勢力(平時の仮想敵国とされている国も含む)の支配下にある地域において、情報収集や煽動工作・(物理的な)破壊工作・要人暗殺などの後方攪乱に従事する要員(軍籍の有無は問わない)。

以下のような人物が当てはまると考えられる。

  • 諜報機関の要員(狭義のスパイ
  • 在外公館の職員(外交官・駐在武官
  • 後方攪乱の命を帯びて潜入した特殊部隊の隊員
  • 敵対勢力に支配された地域でレジスタンス活動に従事する一般市民
  • 敵対勢力側に属しながら、公然ないし非公然的に協力者となる人物
    現地の政治・経済・文化に一定以上の影響力を行使できる人物*1の中で、政権担当者の掲げる政治路線と異なる意見を持つ者を、脅迫や賄賂なども駆使して自陣営に引き入れ、味方にするもの*2*3

この言葉は、1930年代のスペイン内戦の際、反政府軍のエミリオ・モラ将軍がラジオ放送で
「我々は4個軍団をマドリードに向け進軍させている。人民戦線政府が支配するマドリード市内にも我々に共鳴する『5番目の軍団』が戦いを始めるだろう」
と発言したのが起源といわれている。


*1 有力な政治家や高級官僚・財界人・学識経験者・ジャーナリストなど。
*2 スパイの項にもあるように、スパイが(仮想)敵国領内に潜入して活動する際には国籍の障害がつきまとう(外国人はそれだけで警戒対象となり得る)ので、実際の活動は(脅迫や賄賂なども駆使して味方につけた)現地人、あるいはその地の出身者に頼る面が大きい。
*3 国家レベルでこの工作に成功すれば、その国の外交路線を「(自国に対する)宥和政策」に転換できたり、自国軍の当該国領内への無血進駐や無害通行権を獲得できるなど、大きなメリットが得られる。

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