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*&ruby(たいりくかんだんどうみさいる){【大陸間弾道ミサイル】}; [#ka772544]

(Intercontinental ballistic missile ''ICBM'')~
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[[弾道ミサイル]]の分類のひとつ。~
[[有効射程]]距離が極めて長く((米ソ間の「[[戦略兵器制限交渉(SALT)>戦略兵器制限交渉]]」では「射程距離5,500km以上」と定義されている。))、北米大陸からユーラシア大陸など、大洋に隔てられた大陸間を飛翔することが出来る[[ミサイル]]を指す。~
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[[ロケットエンジン]]により長距離を飛行するため、大量の[[燃料]]を搭載する必要上、弾体はきわめて大きくできている。~
また、その弾体を敵の[[スパイ]]や[[戦略偵察機>偵察機]]・[[偵察衛星>軍事衛星]]などから隠し、先制攻撃の被害を避けるため、平時は「[[ミサイルサイロ>サイロ]]」と呼ばれる地下式の格納庫兼発射台に納められており、一朝有事の際に指令を受けて発射されるようになっていることが多い。~
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また技術発展により命中精度が上がり、核攻撃でもピンポイントでの攻撃を要する効果目標も破壊出来るようになった為、近年では先制核攻撃によって[[ミサイルサイロ>サイロ]]等の相手国の核戦力を削ぎ、自国の生存率を高める「カウンター・フォース」と呼ばれる戦略が可能になり、アメリカやロシアでは[[SLBM>弾道ミサイル]]を[[報復]]核攻撃用、ICBMを先制核攻撃用として併用している。~
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前述の通り、[[抑止力]]としてなら技術の発展により生存性が遥かに高い[[SLBM>弾道ミサイル]]を使えば事が済んでしまう為、技術開発目的の発展途上国を除く先進国での開発は下火の傾向がある。~
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(具体的な機種については[[弾道ミサイル]]の項を参照のこと)
[[戦略兵器制限交渉]](SALT)の定義では、[[有効射程]]5,500km以上の[[弾道ミサイル]]を指す。

どこに配置されていてもほぼ大陸全土を射程に収める事ができ、配置によっては太平洋や大西洋越しにも届く。~

その[[有効射程]]のために巨大な[[ロケットエンジン]]と[[燃料]]が必要で、弾体は非常に大きい。~
このため、弾体を[[スパイ]]・[[戦略偵察機>偵察機]]・[[偵察衛星>軍事衛星]]などから隠蔽する事が難しい。~
発射待機状態にない場合は地下格納庫兼発射筒([[ミサイルサイロ>サイロ]])に収められているのが普通。

>ただし[[ミサイルサイロ>サイロ]]自体も隠蔽困難で、多くは既に発見済み。

現状で[[核戦争]]が発生した場合、ほとんどのICBMは既知であり、先制核攻撃で破壊される可能性が高い。~
このため、近年の[[相互確証破壊]]戦略はICBMを先制核攻撃のためにのみに用いる事と割り切っている。

>[[報復]]核攻撃については、より短射程の[[弾道ミサイル]]を[[戦略潜水艦]]から発射する事としている。

既存の核保有国にとってはもはや軍事的価値が薄く、先進国での技術開発はより小型のミサイルが主流になってきている。~
反面、新たに核を保有しようとする国家にとっては比較的に安価・安全に実装できる選択肢であり、発展途上国での秘密研究では未だ有力な選択肢である。

>ミサイル自体を短射程で済ませようとすると、そのミサイルを射程圏内まで運ぶ[[プラットフォーム]]が別途必要になる。~
しかし[[戦略爆撃機]]で敵警戒網をすり抜けるのも、[[戦略潜水艦]]を潜伏させるのも発展途上国にとっては現実的でない。


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