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*&ruby(たいかんきょほうしゅぎ){【大艦巨砲主義】}; [#u814b646]
[[海軍]]が[[制海権]]を奪取・確保するにあたり、「巨大で厚い[[装甲]]と大きな[[主砲>艦載砲]]を持つ[[水上艦艇>水上艦]]」、すなわち[[戦艦]]を中核とする軍事思想。~
[[海軍]]が[[制海権]]を確保するにあたり、[[戦艦]]を戦力の中核とみなす[[ドクトリン]]。~
及び、そのような前提のもとで立案・実行される[[戦略]]・[[戦術]]・[[兵站]]調整。~
「[[戦艦]]」の定義は時代によるが、基本的には[[艦載砲]]の威力と艦の[[装甲]]に重きに置く。~

>大艦巨砲主義の[[戦術]]的本質は、射程の長い「巨砲」による[[アウトレンジ]]攻撃である。~
「大艦」は巨砲を搭載する[[ペイロード]]のため、また同等の巨砲に狙われた時のために必要とされた。

[[艦載砲]]の実用化と共に考案され、当初は[[拿捕]]・[[白兵戦]]への対抗戦術として発達。~
大航海時代以後は[[海軍]]の運営における基本的な常識として定着していた。~
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大航海時代以来、世界の[[海軍]]における[[戦略]]・[[戦術]]の主流であったが、[[第二次世界大戦]]で、[[艦載機]]による[[艦艇]]への攻撃のほうがより効果があることが判明すると徐々に衰退し、大戦後には通用しない思想となった。~
しかし、[[第二次世界大戦]]における[[航空機]]の台頭によって[[戦術]]的前提が破綻。~
[[艦載砲]]では[[航空母艦]]からの攻撃に対抗できないことが証明されたため、[[戦艦]]は兵器としての寿命を終える事となった。~
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結果論として、現在では大型の艦船は[[航空機]]による攻撃に脆弱であったと大艦巨砲主義を非難する意見が多いが、当時としては圧倒的多数の常識的な考え方であり、必ずしも時代に遅れていたとは言いがたい。~
これにつれて、大艦巨砲主義も[[航空主兵主義]]に後を譲る形で衰退していったが、現代でも完全に途絶えたわけではない。~
現代の[[駆逐艦]]・[[巡洋艦]]は[[排水量]]こそ少ないが、実効戦力はかつての[[戦艦]]を上回る。~
また、[[対艦ミサイル]]・[[艦対空ミサイル]]の発達により、[[航空母艦]]はかつてほど優位ではなくなっている。~
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関連:[[航空主兵主義]] [[艦隊決戦]]
度を超した巨大な[[戦艦]]こそ建造されなくなって久しいが、強大な艦艇が必要とされるのは今も変わらない。~
「巨砲」は[[ミサイル]]に、「大艦」は海上[[防空網]]に形を変え、より強大な艦艇を求めての技術競争は今なお続いている。~
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関連:[[艦隊決戦]]


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