*&ruby(だいしょう){【代将】}; [#g6aa9e18]
Brigadier([[陸軍]])/Commodore([[海軍]])/Air commodore([[空軍]])~
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職業軍人の[[階級]]もしくは称号のひとつ。~
本項では通常、[[准将]]と訳されるBrigadier、Air Commodoreも[[佐官]]扱いであるので、便宜上、同様に扱う。~
[[NATO>北大西洋条約機構]]が定めた[[階級符号>NATO階級符号]]では、[[准将]]と同じく「OF-6」に相当する。~
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本来、代将は[[海軍]]において[[戦隊]]司令官の任に当たる大佐(階級が未分化だった時代は海佐((艦長の階級としての呼称((職位3年過ぎた海佐は陸軍大佐と同格、それ以外の海佐は陸軍中佐と同格とされた。))。因みにCommanderは准海佐といい、海尉-Lieutenantの級外艦艦長としての職位である((陸軍少佐と同格とされた。))。)))の職位である。
>なお、代将制度は、第一次英蘭戦争時にオランダ海軍が最初に設けたとされる。

その後、海軍軍人の階級が整備された後も「司令官たる大佐」を「艦長たる大佐」の上位に位置付ける必要から「[[将官]]の代理」として代将の職位ないし階級が設けられた。~
特に[[アメリカ海軍]]では、19世紀まで将官の昇任に議会の議決が必要な事から、代将制度が盛んに使われた((現在では階級ではなく、[[駆逐艦]]戦隊(英訳は''[[Squadron>スコードロン]]'')・水陸両用戦隊・沿岸戦闘集団・[[潜水艦]]戦隊・[[航空団]]及び[[海軍造船連隊>シービー]]を指揮する先任の大佐に与えられる「称号」として用いられている。))。~
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イギリス海軍では、[[将官]]の身分化により昇任が定員や年功などで制約されるようになり、[[将官]]の資格を持つ者がいない場合、最先任の海佐が複数の艦を指揮するケースが生じたため設けられた。~
嘗ては専任の[[戦隊]]司令官であり、少将と同一の袖章の一等代将と、[[旗艦]]艦長兼戦隊司令官の二等代将に分かれていた。

>日本等では、「司令官たる大佐」であり、あくまで職位として扱われ、代将旗((海自ではブロード・ペナントではなく1スターフラッグを使用しているため、[[准将]]を導入した場合、''「将旗」''をどうするか問題が生じそうである。''(代将旗を廃止するわけにはいかないため((フランス海軍のような准将(実際は少将を准将位として扱っている。)制度のある海軍でも大佐の職位としての代将は存在し、当然、代将旗は存在する。)))。'' ))の掲揚のみにとどまる。

イギリス陸軍の場合、[[第一次世界大戦]]後に[[将官]]の人員整理のため、1921年に[[准将(Brigadier-general)>准将]]((階級章は将官用のものである。))が廃止され、「旅団長たる大佐」として代将((Colonel-commandant(1922〜27年). 後にBrigadier(1928年〜).))が設けられた。~
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同じく[[空軍>RAF]]の場合、主に「[[飛行集団(Group)>航空師団]]司令官たる大佐」にあてられた。~
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また、[[第二次世界大戦]]までの旧ドイツ軍の様に、[[陸軍]]や[[空軍]]に[[准将]]の[[階級]]の無い国でも、[[海軍]]には代将の階級章が存在していた国もある。~
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代将の様なあくまでその職にある間のみの臨時階級のことを、「positional rank」と呼ばれる。

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