【対戦車ミサイル】(たいせんしゃみさいる)

Anti Tank Missile (ATM)
戦車歩兵戦闘車など軍用車両を破壊するためのミサイル
歩兵部隊に専属の射手を置くか*1、車両や攻撃ヘリコプターに搭載される。
弾頭には主として成形炸薬弾が用いられるが、近年では、LOSATなど徹甲弾を用いるものも考案されている*2

火砲に比べて非常に命中精度が高く、携行弾数が少ないうちは小型軽量*3
その性能は近年の戦争における戦車狩りによって遺憾なく発揮され、一時期は「戦車無用論」も飛び出したほどだった。

しかし、破壊力を支える成形炸薬弾が枯れた技術であるため、最新主力戦車の正面装甲には対応出来なくなりつつある*4
また、目標に応じた弾頭の使い分けができず、即応性に劣り、弾薬が高価であるなどの欠点もある。

これらの問題から、実戦では無反動砲が採用される事例も少なくない。

主な対戦車ミサイル

  • アメリカ
  • 日本
  • ソ連/ロシア
    • 3M11 ファラーンガ(AT-2 スワッター)
    • 9M14 マリュートカ(AT-3 サガー)
    • 9M111 ファゴート(AT-4 スピゴット)
    • 9M113 コンクールス(AT-5 スパンドレル)
    • 9M114 シュトゥールム(AT-6 スパイラル)
    • 9K115 メチス(AT-7 サキホソン)
    • 9M112 コブラ(AT-8 ソングスター)
    • 9M120 アタカ-V(AT-9)
    • 9M117 バスチオン(AT-10 スタッパー)
    • 9M119 レフレークス(AT-11 スナイパー)
    • 9M131 メチスM(AT-13 スウィンガー)
    • 9M133 コルネット(AT-14)
  • 欧州
  • フランス
    • SS.10
    • SS.11
    • ミラン
    • ERYX
  • イスラエル
    • LAHAT
  • スウェーデン
    • BILL

*1 重量の都合から1人辺り1発が携帯できる限界。小銃を持てなくなるため全員に携帯させるわけにもいかない。
*2 主にコスト上の問題から、こうしたミサイルの実用化の目処はいまのところ立っていない。
*3 小型軽量なのは発射器が砲身よりも極めて軽量なため。1発1発のミサイルは砲弾よりもずっと重い。
*4 現状でも脆弱な砲塔上面部分を狙ったり、弾頭を二重にして貫通力を高める等の工夫によって撃破可能ではある。

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