• 追加された行はこの色です。
  • 削除された行はこの色です。
*&ruby(ぜんちきゅうそくいそうち){【全地球測位装置】}; [#m90f565e]
Global Positioning System(GPS).~
[[人工衛星]]を利用した[[航法]]支援装置。理論上、地球上のどこでも正確な現在位置を割り出す事ができる。~
人工衛星を利用した[[航法]]支援装置。理論上、地球上のどこでも正確な現在位置を割り出す事ができる。~
船舶や登山用では地図や海図との併用を想定して緯度・経度のみを記す小型の端末がよく用いられる。~
自動車や携帯電話など地図の不備が予想される場合、画面上に現在位置に合わせた地図を表示するタイプのものが主流。

GPSのシステムは常に電波を送信し続ける専用の[[人工衛星]]に依存する。~
衛星からの電波は人工衛星が回っている軌道と、内蔵の原子時計で算出された正確な送信時刻の情報が含まれる。~
自動車や携帯電話など地図の不備が予想される場合、画面上に現在位置に合わせた地図を表示するタイプのものが主流。~
~
GPSのシステムは常に電波を送信し続ける[[専用の人工衛星>ナブスター]]に依存する。~
衛星からの電波には人工衛星が飛行中の軌道と、内蔵の原子時計で算出された正確な送信時刻の情報が含まれる。~
これを受信した端末は、送信から受信までの経過時間((光速は常に一定であるため、経過時間から正確に距離を逆算できる。ただし時計の精度やコンピューターの処理能力による誤差は不可避である。))と電波に含まれる位置情報から、人工衛星の所在、および受信端末との距離を算定する。~
これを3基の衛星に対して同時に行う事で、受信機が存在する位置の経度・緯度・高度を全て算出できる。~
ただし、実際には時計の誤差が無視できないほど大きいため、時計の誤差修正のためにもう1基の衛星を用いる。~
また、地球上のどの位置の上空にも常に4基以上の[[GPS衛星>ナブスター]]が存在する必要があるため、実際に必要な衛星の数は30基を超える。~
これを3基の衛星に対して同時に行う事で、受信機が存在する位置の経度・緯度・高度を全て算出できる。~
ただし、実際には時計の誤差が無視できないほど大きいため、時計の誤差修正のためにもう1基の衛星を用いる。~
また、地球上のどの位置の上空にも常に4基以上の[[GPS衛星>ナブスター]]が存在する必要があるため、実際に必要な衛星の数は30基を超える。((理論上は、最低24基あれば地球上全域をカバーできるとされている。))~
~
現在は[[アメリカ空軍>USAF]]由来のシステムが民間に開放されているが、これは各国にとって望ましい事態ではない((開放当初はアメリカの軍事政策上の理由から、米軍の軍用受信機以外で算出すると必ず数十mの誤差が生じるように設定されていた。この設定は現在撤廃されているが、復活しないという保証はどこにもない。))。~
日本・ロシア・EUなどの宇宙開発先進国では自国所有の衛星のみで同様のシステムを構築するための研究開発が進められている。
現在は[[アメリカ空軍>USAF]]が構築したシステムが民間に開放されているが、これは各国にとって望ましい事態ではない((開放当初はアメリカの軍事政策上の理由から、米軍の軍用受信機以外で算出すると必ず数十mの誤差が生じるように設定されていた。&br;  この設定は現在撤廃されているが、将来、復活しないという保証はどこにもない。))。~
日本・ロシア・EUなどの宇宙開発先進国では、自国所有の衛星のみで同様のシステムを構築するための研究開発が進められている。

関連:[[GPS誘導爆弾]]

**ディファレンシャルGPS [#h1ff7c0c]
Differential GPS(DGPS).~
GPSの測定精度を高めるための手法の一つ。~
位置(緯度・経度・標高)の確定した基地局で[[GPS衛星>ナブスター]]の電波を受信し、補正情報を生成する。~
受信機は自身のGPS情報を基地局からの補正情報によって検証し、誤差を相殺する。~
~
日本では[[海上保安庁]]が全国27ヶ所の基地局を保有し、主に日本列島近海を航行する船舶向けに中波ビーコンで送信している。~
別個の静止衛星から送信される情報を利用したり、既存のラジオ放送局が利用しない[[周波数]]帯域で送信する方法((日本では1997年〜2008年まで、JFN(全国FM放送協議会)系列のFMラジオ局が、カーナビ向けにサービスを実施していた。))もある。

**GPSにまつわる誤解 [#q848091d]
日本におけるGPSの代表的な利用例として、自動車に搭載される「カーナビ」がある。~
これに関連して、以下のような話が伝えられている。~
-[[GPS衛星>ナブスター]]は、カーナビを積んだ車にその車の位置情報を送っている。
-[[GPS衛星>ナブスター]]がカーナビのルートを引いている。
-[[GPS衛星>ナブスター]]は車の位置を逆探知できる。
-[[GPS衛星>ナブスター]]とカーナビが通信をしている。
-[[アメリカ軍]]や[[CIA]]がGPSから収集した情報を使って何か陰謀を企んでいる(多分[[エリア51]]かどこかで)

実態を言えば、GPS端末の情報を無線電波やインターネットで送信する事は可能であり、実際に行われている。~
実態を言えば、GPS端末の情報を無線電波やインターネットで送信する事は可能であり、実際に行われている。((実用例としては、運輸業などで使われる「車両位置監視システム」や、児童・高齢者向けのセキュリティシステムなどがある。))~
送信された位置情報のハッキングも原理的には可能であり、実際に行われていないという保証はない。~
しかし、それを[[GPS衛星>ナブスター]]が受信する事はない。~
[[GPS衛星>ナブスター]]には内蔵された時計の時刻や飛行中の軌道データを''送信する機能しかない''ためだ。~

結局のところ、カーナビの機能のほとんどはカーナビ自体に内蔵されたコンピューターに依存している。~
なんらかの情報漏洩や不備があったとしても、それはやはりカーナビの小さな機械に起因する。~


トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS