【戦略爆撃機】(せんりゃくばくげきき)

戦略爆撃をおこなうために設計・開発された爆撃機

戦略爆撃とは、敵の正面兵力よりも、むしろ兵站や後方施設、生産設備、ライフライン、都市機能などを破壊し、敵の戦争継続能力に打撃を与えるための爆撃である。
これを実行するため、敵地深くへ到達する長距離侵攻能力や、NBC兵器または大量の通常爆弾を運用する能力が求められる。

しかし冷戦時代の途中からNBC兵器の運用主体が航空機から弾道ミサイル巡航ミサイルへと移行し、また戦略爆撃そのものが非人道的な無差別性を持つことから非難の対象になったため、現在ではその存在意義が大きく揺らいでいる。

米ソの冷戦終了後の現在、アメリカが保有する戦略爆撃機は誘導爆弾の運用能力が求められており、長い航続距離と大量のペイロードを活かし、一度の出撃で複数の標的をピンポイント爆撃?する運用が行われている。
対空能力に乏しく、自衛の必要性に薄い地域の標的を攻撃するには、マルチロールファイターを複数投入するよりはるかに効率的であり、2001年以降のアフガニスタンやイラクでの航空作戦において、誘導爆弾の殆どはB-52,B-1,B-2といった戦略爆撃機により投下されている。
このため、重要性は(米ソ冷戦の頃とは違う意味で)日々増しており、冷戦終結後に不要となりモスボール化されていた一部のB-1Bが現役復帰している。

主な機体

  • アメリカ(海軍航空隊)

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