*&ruby(せんりゃくばくげきき){【戦略爆撃機】}; [#d089b8c0]
[[戦略爆撃]]をおこなうために設計・開発された[[爆撃機]]。~
~
[[戦略爆撃]]とは、敵の正面兵力よりも、むしろ[[兵站]]や後方施設、生産設備、ライフライン、都市機能などを破壊し、敵の戦争継続能力に打撃を与えるための[[爆撃>空爆]]である。~
これを実行するため、敵地領内奥深くへ到達できる長距離侵攻能力や、[[NBC兵器]]または大量の[[通常爆弾]]を運用する能力が求められる。~
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しかし、冷戦時代の途中から[[NBC兵器]]の運用主体が航空機から[[弾道ミサイル]]や[[巡航ミサイル]]へと移行し、また、戦略爆撃そのものが非人道的な無差別性を持つことから非難の対象になったため、現在ではその存在意義が大きく揺らいでいる。~
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米ソの[[冷戦]]終了後の現在、アメリカが保有する戦略爆撃機は[[誘導爆弾]]の運用能力が求められており、長い[[航続距離]]と大量の[[ペイロード]]を活かし、一度の出撃で複数の標的をピンポイント爆撃する運用が行われている。~
対空能力に乏しく、自衛の必要性に薄い地域の標的を攻撃するには、[[マルチロールファイター]]を複数投入するよりはるかに効率的であり、2001年以降のアフガニスタンやイラクでの航空作戦において、誘導爆弾の殆どは[[B-52]],[[B-1]],[[B-2]]といった戦略爆撃機により投下されている。~
このため重要性は日々増しており、皮肉にも米ソ冷戦の頃とは全く方向性が異なった戦術爆撃能力の高さを買われ、冷戦終結後に不要となり[[モスボール]]化されていた一部の[[B-1B>B-1]]が現役復帰している。~


**主な機体 [#fd738c1b]
-アメリカ([[陸軍航空隊>USAAF]]→[[空軍>アメリカ空軍]])
--[[B-10]]
--[[XB-19]]
--[[XB-15]]
--[[B-17]]
--[[B-24]]
--[[XB-32]]
--[[B-29]]
--[[B-36]]
--[[B-52]]
--[[XB-70]]
--[[FB-111>F-111]]
--[[B-1]]
--[[B-2]]

-アメリカ(海軍航空隊)
--[[A-5]]

-ソ連・ロシア
--[[TB-3]]
--[[DB-3]]
--[[Er-2]]
--[[Pe-8]]
--[[Tu-4]]~
※[[B-29]]の[[デッドコピー]]。
--[[Tu-16]]
--[[Tu-22M]]
--[[T-4]]
--[[Tu-160]]
--[[Tu-95]]

-ドイツ
--[[Ju-86]]
--[[Do-17]]
--[[Ju-89]]
--[[He-111]]
--[[Fw-200]]
--[[Do-217]]
--[[He-177]]
--[[Ju-390]]
--[[Me-264]]

-英国
--[[ハンプデン]]
--[[ウェリントン]]
--[[マンチェスター]]
--[[ハリファックス]]
--[[スターリング]]
--[[ランカスター]]
--[[リンカーン]]
--[[ビクター]]
--[[バルカン]]

-フランス
--[[アミオ143]]
--[[ブロッシュM.B.210]]
--[[ファルマンNC223]]
--[[アミオ351]]
--[[リオレ・エ・オリビエ451]]
--[[ブレゲー482]]
--[[ブロッシュM.B.162]]
--[[ミラージュ4]]

-日本(海軍航空隊)
--[[九五式陸上攻撃機]]
--[[九六式陸上攻撃機]]
--[[九七式飛行艇]]
--[[一式陸上攻撃機]]
--[[二式飛行艇]]
--[[深山]]
--[[連山]]
--[[富嶽]]

-日本(陸軍航空隊)
--[[九三式重爆撃機]]
--[[九二式重爆撃機]]
--[[キ-74]]
--[[キ-91]]


-中華人民共和国
--[[轟炸6>Tu-16]]~
※[[Tu-16]]の[[ライセンス生産]]機。

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