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*&ruby(せんとうきまふぃあ){【戦闘機マフィア】}; [#yc8786a1]
1960年代後半から1970年代にかけてのアメリカにて、[[戦闘機]]開発に関するロビー活動に従事していた軍官僚([[ペンタゴン>アメリカ国防総省]]勤務の[[空軍>アメリカ空軍]]将校・高級文官)たちの俗称。~
1960年代〜1970年代のアメリカで、[[戦闘機]]開発に関するロビー活動に従事していた[[軍政]]官僚たちの俗称。~
主に[[ペンタゴン>アメリカ国防総省]]勤務の[[空軍>アメリカ空軍]]将校・高級文官で構成されていた。~
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当時、[[戦闘機]]は[[空対空ミサイル]]の発展とともに、重厚長大、かつ高コスト化を伴う進化を続けていた。~
彼らはそんな潮流に対し疑問を投げかけ、単純・軽量・低コストな[[戦闘機]]による[[目視内射程]]での[[格闘戦>ドッグファイト]]への回帰を訴えていた。~
当初「空軍の能力を削る厄介者」という認識から、大っぴらな活動を行わず隠れた勢力として存在していたため、「マフィア」という悪名が付けられた。~
当時、[[戦闘機]]は[[空対空ミサイル]]の発展とともに重厚長大化し、コストを高騰させながら進化を続けていた。~
この傾向には主に予算上の制約から反感が生まれ、[[戦闘機]]の単純化・軽量化・低コスト化を訴える動きが発生した。~
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この勢力によるロビー活動は、[[F-15]]として結実した。~
しかし、彼らにとって[[F-15]]はまだ大きく、重く、高価にすぎた。~
さらに後には[[LWF]]計画、[[LCF]]計画から[[F-16]]や[[F/A-18]]という傑作機が誕生する。~
兵器の低性能化が軍の戦力低下に繋がるのは明らかであり、この主張はあまり公的に行えるものではなかった。~
必然的に軍の非主流派・隠れた勢力として活動する事となり、「マフィア」という悪名で呼ばれるようになっていた。~
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しかし、皮肉な事に彼らのロビー活動の成果である[[F-15]]・[[F-16]]・[[F/A-18]]は、いずれも当初の理念が忘れ去られ、総じて大型化・重装備化した[[マルチロールファイター]]としての能力が求められ、格闘戦能力が[[トレードオフ]]されている。
戦闘機マフィアの活動は、まず[[F-15]]の設計コンセプトに影響を及ぼした。~
しかし[[F-15]]はまだ大きすぎ、重すぎ、高価すぎると考えられ、後の[[LWF]]計画・[[LCF]]計画などでも干渉は続いた。~
[[F-16]]・[[F/A-18]]などの機体も戦闘機マフィアの思想が色濃く反映されている。~
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しかし、どの機体でも最終的には「単純化・軽量化・低コスト化」という当初の意図は忘れ去られている。~
現場は常に「今までよりも強力な最新鋭機」を求め、軽くて安いだけのガラクタを望む[[パイロット>エビエーター]]などいるはずもなかった。~
結局の所、兵器の低性能化が軍の戦力低下に繋がるのは明らかであり、戦闘機マフィアの意見は黙殺を避けられなかった。


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