【戦術核兵器】 †
戦場で通常兵器と同じ用法で使用する事を想定された核兵器。一般に核兵器の中では比較的威力の低いものを指すが、実際の分類は運用方法や射程による。ミサイルやロケット弾、航空機で投下する爆弾、車載や設置型の無反動砲、あげくには地雷に至るまで、様々なバリエーションが存在する。
冷戦時代、核兵器による抑止力を小規模な戦争にも適用する事を目的として製造されたのだが、この目論見は成功しなかったというのが一般的な見解である。戦術核が実戦で使用された事はなく、また通常兵器による戦争を抑止する効果があったとも考えにくく、米ソ双方の相互確証破壊戦略の一部として利用されるのみに留まっている。
余談だが、戦術核はその背景にある思想が比較的単純であるためフィクションに登場させるのが容易である。一般的な日本人がゲーム、アニメ、漫画等で見知った「核兵器」はたいてい戦術核であり、これに対して戦略核兵器は“キノコ雲のような爆発とともに世界を滅亡させる装置”としか描写されない事が多い。
