• 追加された行はこの色です。
  • 削除された行はこの色です。
*&ruby(せんしゃ){【戦車】};
+兵士の乗った車輪付きゴンドラを馬が牽引する乗り物。 チャリオット。~
現代の戦車と区別するために騎馬戦車とも言う。~
起源は古代エジプトにまで遡ることができ、それが後に古代ローマや古代中国へと伝わったといわれる。~
通常2〜3人が搭乗、弓矢・矛・剣などで武装し突撃を行った。~
古代中国では、殷と周の決戦であった牧野の戦いにおいて大規模な戦車戦を展開したという。~
古代ローマ帝国では集団で使用し、圧倒的な強さを誇った。~
また、速さを競う競馬のような競技があり、人々に大変な人気があった。~
しかし、騎馬民族が台頭してくるにつれ機動性に劣る戦車は廃れ、主流は騎兵や騎士へと移っていった。~
*&ruby(せんしゃ){【戦車】}; [#bb1ea87d]
Tank.~
[[装甲]]が施された車体に[[機関銃]]・[[施条砲]](または[[滑腔砲]])などの武装を備え、不整地を走行する能力をもった戦闘車両。~
時代によって設計思想は異なるが、常に「武装を備え、[[対応防御]]を意識して[[装甲]]化され、[[無限軌道]]で走る」という特徴を持つ。

>「タンク(Tank)」という英名は、英国で作られた世界初の戦車である[[マーク1]]の開発計画に由来する。~
[[スパイ]]に計画意図を察知されるのを防ぐため、戦車開発計画には真実と異なる秘匿名称が与えられた。~
その秘匿名が「水槽供給(Tank Supply)」((別の説によると、ドイツ軍の[[スパイ]]に察知されることを意図して情報部が吹聴した「あれは東部戦線に送る飲料水タンク」という話が定着した、というものもある。))であり、これを縮めた「Tank」が戦車一般を意味する名詞として定着した。~
なお、本来の開発名称は「陸上軍艦(Land Ship)」であったという。

現存する兵器の中で、「戦車」という軍事学上の概念に沿う車両は[[主力戦車]]のみである。~
敵戦車との正面戦闘能力に不足がある場合は[[突撃砲]]、[[戦車駆逐車]]、[[自走榴弾砲]]などと呼んで戦車とは区別される。~
また、戦車の車体を別用途に流用した場合も、性能要件を完全に満たさない場合は「戦車」に含まない。~
~
+装甲が施された車体に機銃・火砲等の武装をもち、履帯による高い不整地走行能力をもった戦闘車両。 通称タンク。~
ただし、報道では武装された軍用の車両は大抵「戦車(Tank)」と呼ばれる。~
>日本語の場合、戦闘艦は全て「[[戦艦]]」で、戦闘を主任務とする[[軍用機]]は全て「[[戦闘機]]」、戦闘車両は全て「戦車」である。~
軍事専門家の発言・著述としては問題のある表現だが、日本語として間違っているわけではない。~

近年では[[対戦車ミサイル]]の発達が著しく、一時は戦車無用論も囁かれた。~
しかし[[歩兵]]に前線を突破させるためには不可欠で、地域を継続的に制圧し続ける能力は他の兵科では代え難い。~
味方の[[士気]]に与える影響も絶大であり、今もって「[[陸戦の王者]]」として君臨している。~
~
世界初の戦車[[マーク1]]が登場したのは、[[第一次世界大戦]]である。 このころの戦車は[[鉄条網]]、[[機関銃]]、[[塹壕]]などからなる敵の陣地を突破できる能力を持った車輌であった。 すなわち、戦車は[[無限軌道]]を装備し、敵の銃弾や砲弾に耐えうる[[装甲]]を持ち、ある程度の武装をした車輌であり、主目的は歩兵部隊の前進支援であった。~
1917年「[[ルノーFT17]](フランス)」が登場した。これは初めて全周旋回する砲塔を備え、戦闘室と操縦室を分離するなど当時としては画期的な戦車だった。これが現在までの戦車の原型とされる。
~
[[第二次世界大戦]]ごろからは、さまざまな装甲戦闘車輌が登場したため、戦車には敵陣地突破や歩兵支援の能力に加えて、敵の装甲車輌を撃破できる能力が求められるようになった。~
そのため、戦車とは敵の装甲戦闘車輌と機動戦闘が行える車輌を特に指すようになった。 すなわち、敵装甲車輌に対して有効な打撃を与えられる砲(ふつうは[[カノン砲]])を旋回砲塔に備え、敵の砲撃から防護する[[装甲]]を持ち、無限軌道によって車体を支えた上で機動戦闘をなしうるだけの機動力を確保した車輌である。~
一方、敵戦車の攻撃を目的とするが、火砲の装備状況や装甲などの関係で敵戦車との機動戦闘能力を持たない車輌を[[突撃砲]]、[[戦車駆逐車]]、支援砲撃を行う車輌は[[自走榴弾砲]]などと呼んで戦車とは区別される。~
また戦車の車体を流用して作られた車輌、もしくは類似の車輌として、[[駆逐戦車]]、[[対空戦車]]、[[架橋戦車]]、回収戦車([[戦車回収車]])などがあるが、これらは戦車に含まないのが通常である。~
~
戦後には、それまでの中戦車の機動力と重戦車の防御力・攻撃力を兼ね備えるものが多くなったため、戦車をすべてひとまとめにして「主力戦車」と呼ばれるようになった。~
戦後の戦車は、明確な基準はないものの大きく分けて3つの時代に区分されることが多い。~
第1世代戦車:[[M47]] [[センチュリオン]] [[61式戦車]] [[T-54]] など~
第2世代戦車:[[M60]] [[チーフテン]] [[74式戦車]] [[レオパルト]] [[T-62]] [[T-72]] など~
第3世代戦車:[[M1]] [[チャレンジャー]] [[90式戦車]] [[レオパルト2]] [[AMX-50]](ルクレール) ([[アージュン]] [[T-80]]) など~
このうち74式戦車とT-72は比較的開発が遅く、新技術が採用されているため、第2.5世代戦車と呼ばれることがある。~
同様に、M1戦車の最新型である"M1A2"と、ルクレール戦車は第3.5世代戦車と呼ばれることがある。~
~
時代によって「戦車」に違いはあるが、すべての時代に共通するのは、装甲をもつ車体に武装を備え、無限軌道で走行し高い敵地進攻能力をもつが、[[航空機]]に対して殆ど無力な車輌ということである。~
近年では[[対戦車ミサイル]]の発達が著しく、一時は戦車無用論も囁かれたが、前線を突破するには戦車が不可欠で、継続的な地域制圧能力に優れ、さらに味方の士気に与える影響は絶大であり、今もって「陸戦の王者」である。~
~
~
関連:[[旋条砲]] [[滑腔砲]] [[成形炸薬弾]] [[多目的対戦車榴弾]] [[粘着榴弾]] [[高速徹甲弾]] [[装弾筒付徹甲弾]] [[装弾筒付翼安定式徹甲弾]] [[攻撃ヘリコプター]] [[ガンシップ]] [[特車]]
関連:[[騎馬戦車>騎兵]] [[施条砲]] [[滑腔砲]] [[成形炸薬弾]] [[多目的対戦車榴弾]] [[粘着榴弾]] [[高速徹甲弾]] [[装弾筒付徹甲弾]] [[装弾筒付翼安定式徹甲弾]] [[攻撃ヘリコプター]] [[ガンシップ]] [[特車]]

**略史 [#aa914fb9]
:[[第一次世界大戦]]期|世界初の戦車・[[マーク1]]が登場。~
このころの戦車は、敵陣地の[[鉄条網]]・[[機関銃]]・[[塹壕]]などを突破するために用意された車両であった。~
[[無限軌道]]で[[塹壕]]を踏破し、[[装甲]]で敵の銃弾や砲弾に耐え、自ら応戦しつつ、[[歩兵]][[部隊]]の前進を支援した。~
:1917年|フランスで「ルノーFT17」が完成。~
全周旋回する[[砲塔]]、戦闘室と操縦室を分離する構造などを史上初めて採用し、現代戦車の原型となった。
:[[第二次世界大戦]]期|従来の戦車の定義と異なるさまざまな装甲戦闘車両が登場。~
これに伴い、「戦車」は敵陣地突破・歩兵支援に加えて装甲車両を正面戦闘で撃破可能な車両を指すようになった。~
:[[冷戦]]期以降|戦車の分類が整理・統合され、戦車の役割がほぼ[[主力戦車]]に統合される。


トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS