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*&ruby(せんしゃがり){【戦車狩り】}; [#oe17c79c]
Tank Prinking.~
1991年の[[湾岸戦争]]において、多国籍軍の[[攻撃ヘリコプター]]や[[F-15E]]、[[F-111]]、[[A-10]]が従事した、[[空対地ミサイル]]や[[レーザー誘導爆弾]]を使用した対戦車攻撃任務を、多国籍軍将兵が呼び習わした言葉。~
搭乗員の高い練度と高水準の電子技術に裏付けられた搭載兵装があいまって、搭載した[[爆弾]]・[[ミサイル]]の数だけ敵車両を破壊するといったことは1度や2度ではなく、まるでゲームのように次々と破壊可能であったことからこの言葉が広まった。~
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精密誘導兵器による対戦車攻撃の有効性が実証されたが、逆に[[通常爆弾]]での攻撃は殆ど戦果を上げることができず、無誘導兵器での航空戦力の限界も見せた。~
[[湾岸戦争]]では精密誘導兵器が不足し、ごく一部の機種が運用したのみにとどまっていた。~
一方で、イラク軍の巧妙な偽装工作と多国籍軍の[[偵察機]]不足による戦果確認の不徹底もあって、撃破数のいくらかは[[バルーンデコイ]]であったり、既に破壊された車両への再破壊も少なくなかったようである。~
それが判明するのは終戦後の調査によってであった。~
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ちなみに、多国籍軍の総司令官を務めたノーマン・シュワルツコフ大将は、自身が[[アメリカ陸軍]]所属であったこともあり、「戦車狩り」という呼び名は不愉快であったという。
圧倒的な[[航空優勢]]下で、精密誘導兵器によって敵[[機甲部隊]]を[[空爆]]する事を指す俗語。~
味方の[[陸軍]]に対する侮蔑性を伴う表現であるため、公文書への記載は避けられる。

関連:[[タンクバスター]] [[ハンス・ウルリッヒ・ルーデル]]
表現としての初出は1991年の[[湾岸戦争]]における多国籍軍の[[空爆]]から。~
この戦争で、史上初めて[[空対地ミサイル]]・[[レーザー誘導爆弾]]が大規模な戦線に投入された。~
結果、精鋭[[エビエーター]]と最新の電子工学の組み合わせが戦場に何をもたらすかが明らかとなった。~

精密[[爆撃]]の命中率は、人為的ミスによる[[誤射]]を除けば実用上100%に近い水準である事が明らかになったのである。~
この事実はそれまでの戦争の常識を覆し、新たな[[軍事革命]]の発端となった。~
以降、軍事科学の研究は[[サイバネティックス]]による精密制御を前提とするようになった。

>とはいえ、国際社会に与えた心理的衝撃の多くは意図された宣伝効果による虚像であった。~
戦後の検証により、実際の戦場では人為的なミスが多発していた事が明らかになっている。~
イラク側が偽装した[[バルーンデコイ]]を[[戦車]]と誤認する例は多々あった。~
また、[[偵察機]]不足による[[爆撃効果判定]]の不徹底により、壊れた残骸を再破壊する事もあった。~
精密誘導兵器は確かに強力だったが、湾岸戦争の時点ではまだ[[運用教則>ドクトリン]]が未成熟であったのも疑いない。

関連:[[タンクバスター]] [[攻撃ヘリコプター]] [[F-15E]] [[F-111]] [[A-10]]


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