【赤外線誘導】(せきがいせんゆうどう)

Infrared(Image)-guided.
ミサイルの誘導方式の一つで、熱せられた物体が発する赤外線を探知することにより誘導を行う方式。
エンジンや太陽光線によって熱せられた機体などが発する、明らかに常温域を超えた赤外線を感知し、それに向かうように舵を切る。

初期のものは目標を識別することができなかったため、太陽に向かっていったり、エンジンが見える後方からしか発射できないなど、制約がきわめて大きかった*1
その為、フレアなどの欺瞞策で容易に回避できたが、最近では赤外線の大きさ・強さだけでなく形を認識して赤外線映像として捉えることにより、形状を模擬できないフレア欺瞞に対して強くなった*2

赤外線を見るためのシーカーは熱に対してデリケートなため、液体窒素などで冷やして使用することがある。また、長時間水につけるなどしてはならない。
夜間でも使うことが出来るが、赤外線は水分に吸収されるため雲や悪天候には弱く、レーダーほどの遠距離探知は出来ない。

レーダー誘導に比べて、構造が単純でコストが安いため、主に短射程の地対空ミサイル空対空ミサイルにおける終末誘導などで広く用いられる。

関連:赤外線捜索追尾装置 AIM-9 AA-8 AA-11


*1 低空の目標に向けて発射した際に走行中の機関車に命中した例もある。
*2 その一方で、防御側もフレアを機体に似せた形に放出する対抗策が採られている。

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