*&ruby(せいふせんようき){【政府専用機】}; [#cf83c1e9]
政府が、要人・賓客の輸送のために特に用意する[[航空機]]。~
国によっては政府中枢の緊急避難を想定し、政治的連絡のための暗号通信、危険な着陸を避けるための[[空中給油]]などの機能を備える機体もある。~
~
管理・運用形態は国によって異なり、以下のいずれか。
-政府機関（軍隊以外）が所有・管理する
-[[軍用機]]とする。典型的には[[空軍]]所属の[[輸送機]]として扱われる
-実際の運航管理を軍人が行っているが、名義上は民間機とする（[[軍用機]]の乗り入れに伴う外交問題を回避するため）
-国内の航空会社が政府専用の臨時便を提供する
遠い他国への外遊が想定され、また事故発生時の損害がきわめて甚大。~
このため、機材には長い[[航続距離]]と、事故に対する高度な安全性が求められる。~
~
この性能要求のため、古典的には最大級の大型[[多発>多発機]][[旅客機]]が採用されるのが常道だった。~
しかし、最大級の大型機を運用する[[飛行場]]には広大な敷地面積（[[滑走路]]の全長で言えば2500〜3000ｍ級）と膨大な維持費が必要で、これを多数配置できる国家は限られる。~
このため、航空機の安全性と効率が向上した近年では中型旅客機や小型[[ビジネス機]]も選択肢に上り、各国の[[空港]]設備事情に応じて小型の機材が選ばれる傾向にある。~
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関連：[[ETOPS]] [[ボーイングビジネスジェット]] [[エアバス・コーポレートジェット]] [[フラッグキャリア]]
**各国の政府専用機 [#vbb4955c]
|国名|機種|管理・運用者|備考|
|アメリカ&br;合衆国|[[VC-25A>VC-25]]|[[空軍>アメリカ空軍]]|通称「[[エアフォースワン]]((正式には、空軍所属の航空機に大統領が搭乗している際に用いる専用[[コールサイン]]。))」。&br;アメリカ大統領の長距離移動において最も頻繁に用いられる機体。&br;第18空軍((部隊管理上は空軍航空機動軍団の、作戦上は[[輸送軍>アメリカ輸送軍]]の指揮を受ける。))[[第89空輸航空団>航空団]]・大統領空輸群((メリーランド州アンドリューズ空軍基地所在。))所属。|
|~|[[C-32A>B757]]|~|[[VC-25]]の離着陸ができない空港への飛行(([[VC-25]]は[[B747-200B>B747]]をベースにしているため、離着陸には2,500〜3,000ｍ級の[[滑走路]]が必要である。))に用いられるほか、&br;副大統領や大統領夫人などが「エアフォースツー」として利用することがある。&br;第18空軍第89空輸航空団・第1空輸飛行隊((メリーランド州アンドリューズ空軍基地所在。))所属。|
|~|[[E-4B>E-4]]|~|国家存亡の事態において大統領が全軍を指揮するための空中移動司令部。&br;大統領の外遊時に常に随行する。&br;第16空軍第55航空団((ネブラスカ州オファット空軍基地所在。))所属。|
|~|VC-25B&br;（[[B747-8]])|~|[[VC-25]]の後継として導入予定((ロシアのトランスアエロ航空が発注し、同社の経営破綻によってボーイングで[[保管>モスボール]]されている機体が充てられる予定。))。|
|~|[[VH-3D>SH-3]]|[[海兵隊>アメリカ海兵隊]]|通称「[[マリーンワン>エアフォースワン]]」。&br;主に国内での短距離移動に用いる機体。&br;海兵隊戦闘開発コマンド・第1海兵ヘリコプター飛行隊要人空輸分遣隊((ヴァージニア州クァンティコ基地所在。))所属。|
|~|[[VH-60N>UH-60]]|~|通称「[[マリーンワン>エアフォースワン]]」。&br;主に大統領の海外訪問時に用いられる機体((大統領が[[VC-25]]に乗って外遊する際には空軍の輸送機に搭載されて移動する。))。&br;海兵隊戦闘開発コマンド・第1海兵ヘリコプター飛行隊要人空輸分遣隊所属。|
|~|[[VH-92>S-92]]|~|[[VH-3D>SH-3]]の老朽代替として導入予定。|
|日本国|[[B777-3SBER]]|[[航空自衛隊]]|所属は[[航空支援集団]]隷下・特別航空輸送隊&br;第701飛行隊（北海道・[[千歳基地>千歳空港]]所在）。&br;運航支援は[[ANAホールディングス>全日本空輸]]。&br;日本政府・[[自衛隊]]では「B-777-300ER」と呼んでいる。|
|~|[[EC-225LP>シュペルピューマ]]|[[陸上自衛隊]]|近距離移動に用いられる機体。&br;[[陸上総隊]]隷下・[[第1ヘリコプター団]]特別輸送飛行隊（千葉県・木更津駐屯地）所属。|
|英国|[[BAe146]]|[[空軍>RAF]]|王室専用機。|
|~|[[A330 MRTT>A330]]|~||
|アイルランド|[[ガルフストリーム��]]|空軍||
|~|A330|エア・リンガス||
|フランス|[[A330-200>A330]]|[[空軍>フランス軍]]|元エア・カライベス社の機体。|
|~|[[ファルコン7X>ファルコン（ビジネス機）]]|~||
|~|[[ファルコン900>ファルコン（ビジネス機）]]|~||
|カナダ|[[CC-150>A310]]|[[空軍]]|第437輸送飛行隊が運用。|
|~|[[CC-144>チャレンジャー600]]|~|~|
|スペイン|A310-300|空軍||
|~|ファルコン900|~||
|ドイツ|[[A340-300>A340]]|[[空軍>ルフトバッフェ]]|元[[ルフトハンザドイツ航空]]の機体。|
|~|[[A319CJ>エアバス・コーポレートジェット]]|~||
|~|[[ボンバルディア]]&br;・[[グローバルエクスプレス]]|~||
|~|[[ACJ350>エアバス・コーポレートジェット]]|~|2020年導入。&br;なお、ACJ350としては初の機体となった。|
|イタリア|[[VC-319A>A320]]|[[空軍>イタリア軍]]||
|~|ファルコン900|~||
|~|ファルコン50|~||
|~|A340-500|~|元エティハド航空の機体((運航支援も同社が行っている（[[フラッグキャリア]]のアリタリア航空でも運用していない機体であるため）。))。|
|ポーランド|[[エンブラエル&br;175LR>Eジェット]]|空軍|LOTポーランド航空からのリース機。|
|ウクライナ|ACJ319|政府|オーストリアのジェットアライアンスからのリース機。|
|チェコ|ACJ319|空軍||
|~|[[チャレンジャー600]]|~||
|~|Yak-40|~||
|~|[[Mi-8]]|~||
|スロバキア|[[Tu-154M>Tu-154]]|内務省航空団||
|~|Yak-40|~||
|スイス|[[ファルコン50>ファルコン（ビジネス機）]]|空軍||
|~|[[セスナ・&br;サイテーション>セスナ・サイテーション]]|~||
|~|ピラタスPC-24|~|2019年導入。|
|オランダ|[[フォッカー70]]|政府||
|ギリシャ|[[ガルフストリーム��]]|政府||
|ルーマニア|[[B707]]|政府||
|~|[[BAC 1-11]]|~||
|スウェーデン|[[TP102>ガルフストリーム��]]|空軍||
|カザフスタン|A330-200|政府||
|~|[[B737-700BBJ>ボーイングビジネスジェット]]|~||
|~|A321|~||
|~|[[Tu-154]]|~||
|ロシア|[[Il-96-300>Il-96]]|特殊飛行集団ロシア||
|~|[[スホーイ・&br;スーパージェット>スホーイ・スーピェルジェト100]]|~||
|~|[[Tu-204]]|~||
|ジョージア|B737-700|ジョージアン・エアラインズ||
|オーストラリア|[[KC-30A>A330]]|空軍|第34飛行隊で運用。|
|~|B737-700BBJ|~|~|
|~|[[ファルコン7X>ファルコン（ビジネス機）]]|~|~|
|ニュージーランド|[[B757-200>B757]]|空軍|第40飛行隊で運用。|
|パプアニューギニア|ファルコン900EX|政府||
|中華民国&br;（台湾）|[[B737-800>B737]]|空軍|台北松山基地に所属。|
|~|[[フォッカー50]]|~||
|~|[[B747-400]]|チャイナエアライン|カリブ海諸国への長距離移動時や国家承認がない国家に乗り入れる場合に使用。&br;特別塗装の「Dreamliner」（機体記号：B-18210）が充てられることが多い。|
|~|B747-400|エバー航空|カリブ海諸国への長距離移動時や国家承認がない国家に乗り入れる場合に使用。|
|中華人民&br;共和国|[[B747-400]]|中国国際航空|国家主席や国務院総理（首相）などの外遊時に使用。|
|~|A330-200|~|~|
|~|[[B747-8]]|~||
|~|B737-300|[[空軍>人民解放軍]]||
|~|B737-700|~||
|ブルネイ|B747-400|政府|[[モスボール]]中。|
|~|[[B767-200ER>B767]]|~||
|タイ|A310-300|空軍|主に軍部[[将校]]が利用。&br;2016年より[[モスボール]]中。|
|~|A319-115XCJ|~|主に政府高官が利用。|
|~|B737-800&br;（B737-8Z6）|~||
|~|[[サーブ340]]|~||
|~|[[S-92]]|~||
|~|[[ベル412EP/SP>UH-1]]|~||
|インドネシア|B737-800BBJ|空軍||
|マレーシア|[[ガルフストリーム��SP>ガルフストリーム��]]|空軍||
|~|B737-700BBJ|~||
|~|A330|マレーシア航空||
|カンボジア|A320-200|政府|元中国南方航空の機体((運航支援も同社が行っているとの情報あり。))。|
|大韓民国|B747-400|大韓航空|[[機体記号]]：HL7465&br;空軍にリースされており「空軍1号機」とも呼ばれる。|
|~|[[B747-8]]|~|B747-400の後継として2021年より運用開始予定。|
|~|B737-300|政府||
|~|[[S-92]]|~||
|朝鮮民主主義&br;人民共和国|[[Il-62]]|[[高麗航空]]|愛称は「チャムメ((オオタカの意。))1号/2号」|
|インド|B747-400|エア・インディア||
|~|B737-700|空軍||
|~|B777-300ER|~|エア・インディアからチャーターしているB747-400の代替として導入予定。|
|ベトナム|[[B777]]|ベトナム航空||
|~|[[A350-900>A350]]|~||
|モンゴル|A310|MIAT モンゴル航空||
|~|B737|~||
|スリランカ|[[ベル412>UH-1]]|空軍||
|フィリピン|[[フォッカーF28]]|政府||
|~|ベル412|~||
|UAE&br;（アラブ首長国連邦）|B747-400|ドバイ・エアウィング|ドバイ首長国の機体。&br;元エアカナダ→エア・インディアの機体。|
|~|[[BAe アブロRJ>BAe146]]|~|ドバイ首長国の機体。|
|~|[[B777-300ER>B777]]|アブダビ・アミリフライト|アブダビ首長国の機体。|
|~|[[B737]]（[[BBJ>ボーイングビジネスジェット]]）|不明||
|~|[[B787-9>B787]]|United Arab Air Wing|[[機体番号>機体記号]]：A6-PFE|
|カタール|A340-200|カタール・アミリ・フライト((カタール空軍の隷下組織。))||
|~|A310|~||
|クウェート|[[B747-8]]|クウェート航空||
|~|A340-500|~||
|~|B737-900ER|~||
|サウジアラビア|A340-200|サウジアラビアロイヤルフライト||
|~|[[B747-300>B747]]|~||
|~|[[MD-90>DC-9]]|~||
|~|[[MD-11]]|~||
|~|ガルフストリーム��|~||
|オマーン|A320-200|ロイヤル・フライト・オブ・オマーン||
|~|B747-400|~||
|~|[[B747SP]]|~||
|~|ガルフストリーム��|~||
|バーレーン|B747SP|バーレーン王室航空||
|~|B747-400|~||
|~|B767-400ER|~|[[ボーイング]]社で「E-10」の開発に使われる予定だった機体。|
|~|[[B727-200>B727]]|~|元リパブリック航空（アメリカ）の機体。|
|イエメン|B747SP|不明||
|イラン|B737-200|政府||
|~|B707|~||
|~|A321|~||
|~|A340-200|~||
|トルコ|A330-200|ターキッシュエアラインズ||
|~|[[ガルフストリームG550]]|~||
|~|セスナ・&br;サイテーション|~||
|~|ACJ319|~||
|~|[[B747-8]]|政府|元カタール・アミリ・フライトの機体&br;[[機体番号>機体記号]]：TC-TRK|
|イラン|A321|政府||
|~|A340-200|~||
|~|[[B737-200>B737]]|~||
|ヨルダン|ガルフストリームG650|政府||
|ガボン|[[B777-200>B777]]|政府||
|エジプト|A340-200|政府||
|リビア|A340-200|アフリキヤ航空|元ブルネイ政府専用機。&br;現在はフランスで[[モスボール]]中。|
|モロッコ|[[B747-8]]|空軍||
|赤道ギニア|[[B777-200LR>B777]]|政府||
|南アフリカ|[[ボンバルディア&br;BD-700>グローバルエクスプレス]]|空軍||
|ナイジェリア|B737-700BBJ|空軍||
|ガンビア|[[Il-62M>Il-62]]|空軍|[[モスボール]]中との情報あり。|
|~|[[B727]]|~||
|~|ボンバルディア・&br;チャレンジャー|~||
|エスワティニ|[[MD-87>DC-9]]|王室|元[[日本エアシステム]]→[[日本航空]]の機体((日本時代の[[機体記号]]はJA8372。))。|
|~|A340|~||
|ブルキナファソ|[[B727-200>B727]]|政府||
|コートジボワール|ガルフストリーム��|政府||
|ジブチ|B767-200ER|政府||
|カメルーン|B727|政府||
|~|[[ガルフストリーム��]]|~||
|ナミビア|ファルコン9X|政府||
|ジンバブエ|B767-200ER|エア・ジンバブエ||
|ザンビア|ガルフストリームG650|空軍||
|ブラジル|[[VC-1A>A320]]|空軍|公式愛称は「サントス・デュモン」。&br;大統領搭乗時には「フォルサ・アエリア・ワン」の[[コールサイン]]が用いられる。|
|~|[[VC-2>Eジェット]]|~||
|メキシコ|B757-200|空軍||
|~|[[ガルフストリーム��]]|~||
|~|リアジェット|~||
|コロンビア|B737-700BBJ|政府||
|~|フォッカーF28|~||
|チリ|B737-500|空軍||
|アルゼンチン|B757-200|空軍|「タンゴ01」の[[コールサイン]]がある。|
|~|[[Lineage 1000>Eジェット]]|~||
|キューバ|[[Il-96-300>Il-96]]|クバーナ航空||
|~|[[Il-62]]|~||
|エルサルバドル|[[ホーカー400>MU-300]]|政府||
|~|[[ベル412>UH-1]]|~||
|ボリビア|ファルコン900|政府|当初、サッカークラブのマンチェスター・ユナイテッドFCの&br;専用機として発注された機体だったが、キャンセルされたもの。|
|ウルグアイ|エンブラエル120|政府||
~
