【成層圏】(せいそうけん)

stratosphere

地球上空の大気圏内のうち、おおむね標高8〜17km*1以上50km以下の高度に形成される帯域。
地球上に存在するオゾンの多くが集中しているため「オゾン層」と呼ぶ事もある。

オゾンが紫外線を吸収して発熱しているため、最も多くの紫外線が吸収されている上部界面付近は非常な熱を帯びている。
成層圏のほとんどの地点で気温−70℃前後を保つが、上部界面付近では−15〜0℃にまで急激に気温が上昇する。

「成層圏」という命名もこの現象に由来する。
成層圏が発見されたのは1902年だが、この時、独特の温度分布状況がなぜ生じているのかは解明されていなかった。
当時の科学はこれを「大気が攪拌されず、下部に重い気体・上部に軽い気体が集まって層を成している」と推定し、それが命名につながった。
なお、実際には成層圏でも風が吹いて大気の混合が生じている。

地表で発生した水蒸気が登ってこられず、上空の方が気温が高いため対流による気象の変化もほとんどない。
こうした特性は飛行機が安全に航行できる利点があり、大型旅客機の多くは“雲の上”まで上昇して成層圏最下部を巡航する。

関連:ジェット気流?


*1 緯度が低いほど高い。極地で約8km、赤道付近で約17km。

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