【制服組】(せいふくぐみ)

防衛省の特別職国家公務員である自衛隊員のうち、の三自衛隊において、命令に服し、隊務を行う自衛官の通称。
いわゆる「武官」で、制服の着用が義務付けられているため、この名がある。

現在の日本政府は憲法上の理由から「自衛隊軍隊ではなく、隊員は軍人ではない」との立場を取っているが、ハーグ陸戦条約ジュネーブ条約といった戦時国際法において、自衛官は「日本国軍隊の戦闘員」と解される。

自衛官の項に詳述するように、「将」〜「二士」までの16階級で構成され、尉官以上を幹部自衛官*1と呼ぶ。
制服組の最高位は統合幕僚長である将

「シビリアン・コントロール」いわゆる「文民統制」の原則により、制服組は重要案件などの原案に関わることはできるが、決定は文民の国会議員が行う。
現役の制服組は自衛隊の最高司令官である内閣総理大臣や、総理大臣の下で隊務を行う防衛大臣にはなれない。

かつての旧軍では、「軍部大臣現役武官制」により、陸軍大臣及び海軍大臣は現役の大将または中将が就任することとなっており、内閣総理大臣や他の閣僚になるケースもあった。
特に大東亜戦争の期間中に在任した4人の総理大臣は、ポツダム宣言受諾当時の鈴木貫太郎*2、皇族の東久邇宮稔彦王*3を除けばすべて陸軍の出身だった(東條英機、小磯国昭の2人)。

対を成すいわゆる「背広組」とはお互い反発しあっている*4


*1 他国の軍隊で言うところの将校・士官。
*2 在任当時、軍人としての階級は予備役海軍大将。
*3 当時、成年に達した男子皇族は軍に入ることが慣例であったため、「元帥陸軍大将」の階級を持っていた。
*4 現場と上層部で軋轢が生じるのはどこの国でも同じである。
  現場は人員や予算、法整備などの不備を嫌と言う程分かっているが、上は政治との兼ね合いもあってそれらの不満を満足に解消できず、溝が深まるのである。


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