【制空権】(せいくうけん)

mastery of the air.

味方航空機の安全な活動を保障し、かつ敵性航空機を完全に排除した状態。空の支配。
空軍戦略戦術の要諦であり、航空機の運用上決して無視できない概念である。

ただし、20世紀後半の戦訓を見るに、軍事的手段で制空権を確保するのは不可能だと結論せざるを得ない。
ゲリラでさえ地対空ミサイルを携行できる時代にあって、戦地から脅威を取り除く事は事実上不可能である。
また一方、平時の対領空侵犯措置でさえ、敵機を捕捉出来ず偵察機の跳梁を許す事例は後を絶たない。

戦場の実務において制空権はどちらが優勢かを問う相対的な問題(航空優勢)として考慮される。
とはいえ、圧倒的な航空優勢下にある状況を指して「制空権」と表現する事も広く行われている。

関連:制海権


トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS