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*&ruby(せいくうけん){【制空権】}; [#aeac689a]
mastery of the air~
特定の空域において味方航空機の安全な活動を保障し、かつ敵性航空機を完全に排除した状態。空の支配。~
[[航空機]]は、その特性として高速かつ障害物無しに移動できるため、防空線の突破を防ぐ事が基本的に困難であること、また、敵性航空機を完全に壊滅した場合でも、地上に隠蔽配備されている[[地対空ミサイル]]の壊滅はさらに困難であるため、完全なる支配はほぼ不可能である。~

>[[湾岸戦争]]において、イラク軍の統制された防空活動は[[多国籍軍]]による[[空爆]]開始からからほぼ数日で終了したが、その後も隠蔽された[[地対空ミサイル]]は多国籍軍航空部隊に度々脅威をもたらした。~
その後、2003年に起きたイラク戦争の結果としてイラク軍としての防空活動が実施されなくなってから以後も、[[テロリスト]]により、離着陸する[[輸送機]]を狙って[[SA-7]]が発射される事案が度々起き、完全に安全を保障した状態にはならなかった。
味方[[航空機]]の安全な活動を保障し、かつ敵性[[航空機]]を完全に排除した状態。空の支配。~
[[空軍]]の[[戦略]]・[[戦術]]の要諦であり、[[航空機]]の運用上決して無視できない概念である。

よって厳密には「制空権」という概念は航空[[戦略]]・[[戦術]]上において基本的に使用されず、ほぼ同義である「[[航空優勢]]」という言葉を使用するのが普通である。~
とはいえ、「制空権」という概念を広義に捉え、「[[航空優勢]]」そのものとして使用される場合もままある。~
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ただし、20世紀後半の[[戦訓>バトルプルーフ]]を見るに、[[軍事]]的手段で制空権を確保するのは不可能だと結論せざるを得ない。~
[[ゲリラ]]でさえ[[地対空ミサイル]]を携行できる時代にあって、戦地から脅威を取り除く事は事実上不可能である。~
また一方、平時の[[対領空侵犯措置]]でさえ、敵機を捕捉出来ず[[偵察機]]の跳梁を許す事例は後を絶たない。

戦場の実務において制空権はどちらが優勢かを問う相対的な問題([[航空優勢]])として考慮される。~
とはいえ、圧倒的な[[航空優勢]]下にある状況を指して「制空権」と表現する事も広く行われている。


関連:[[制海権]]


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