【制空権】(せいくうけん)

mastery of the air
特定の空域において味方航空機の安全な活動を保障し、かつ敵性航空機を完全に排除した状態。空の支配。
航空機は、その特性として高速かつ障害物無しに移動できるため、防空線の突破を防ぐ事が基本的に困難であること、また、敵性航空機を完全に壊滅した場合でも、地上に隠蔽配備されている地対空ミサイルの壊滅はさらに困難であるため、完全なる支配はほぼ不可能である。

湾岸戦争においては、イラク軍の統制された防空活動は空爆開始からからほぼ数日で終了したが、その後も隠蔽された地対空ミサイルは度々脅威をもたらしている。
2008年現在進行中の「有志連合」によるイラクにおける軍事活動においても、もはやイラク軍としての防空活動は実施されていないが、テロリストにより離着陸する輸送機を狙いSA-7が度々発射されるなど、完全な安全を保障した状態とは言いがたい。

よって「制空権」という概念は航空戦略・戦術上において基本的に使用されず、ほぼ同義である「航空優勢」という言葉を使用するのが普通である。

関連:制海権


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