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*&ruby(せいかいけん){【制海権】}; [#u2b4b2d2]
Command of the Sea, Thalassocracy(海洋の支配)~
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国家が軍事力(主に[[海軍]])によって一定範囲の海域を支配下に置き、「自国籍商船の通航」「自国の個人・法人による水産・鉱物資源の利用」などの自由を維持すると共に、敵国(平時において[[仮想敵国]]とされている国も含む)に対しては海域を自由に使用させないようにすること。~
現代では「海上優勢」とも呼ばれる。~
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近代以降の国家において、[[海軍]]の最大の存在意義は制海権の確保・維持であり、海軍における[[戦略・戦術思想>ドクトリン]]である「[[大艦巨砲主義]]」も「[[航空主兵主義]]」も、これを達成するための手法の一つであると言えよう。~
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国家が海の交通状況を掌握し、自国の商船・漁船・海上資源基地の安全を保証する事。~
また、他国の船舶の運航に関する独占的な[[管制]]の権利を保有する事。~
海賊や[[仮想敵国]]に対する[[海上封鎖>拿捕]]が可能でなければならず、[[海軍]]による実効支配が前提となる。

ただし実務上、海を完全に掌握するのは現実的でない。~
海は広大であり、海上のあらゆる位置に無敵の[[艦隊]]を配置するのは不可能だからだ。~
従って、制海権はある海域において他国と比較して優勢である事を示す相対的な問題にすぎない。~

>よって、「制海権」ではなく「海上優勢(Sea Superiority)」と表記すべき、と主張する専門家もある。

戦争における制海権は、基本的に敵[[海軍]]と港湾施設を[[全滅]]させる事で達成される。~
現代戦では[[空爆]]や[[地対艦ミサイル]]も懸念されるため、内陸への[[攻勢対航空作戦]]も必要になる。~
また、敵の[[再編成]]を阻止するための上陸作戦、[[歩兵]]による占領と監視も必要である。~
制海権は海の問題ではなく、根源的には[[陸軍]]・[[海軍]]・[[空軍]]全てが関与する。

また、[[潜水艦]]による[[浸透]]も、特に[[限定戦争]]では有効な制海権確保の手段である。~
たとえば敵の港湾に[[機雷]]を散布すれば、敵の[[艦隊]]を一時的に行動不能にできる。~
もちろん数ヶ月もすれば港湾は復旧して無傷の[[艦隊]]が出撃するだろう。~
しかし、その数ヶ月は[[限定戦争]]で戦果を得て講和をまとめるには十分な時間である。

関連:[[排他的経済水域]] [[領海]]


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