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*&ruby(せいかいかん){【制海艦】}; [#e914b85b]
Sea Control Ship(SCS)。~
1960〜1970年代、[[アメリカ海軍]]が研究していた[[航空母艦]]の一種。~
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大型で運用コストの高い[[正規空母]]まで投入する必要がないと判断される脅威度の海域で行われる作戦において、限定的・一時的な[[制海権]](海上優勢)を獲得または維持するための艦として計画された。~
そのため、搭載される[[艦載機]]の構成も[[CTOL]][[戦闘機]]・[[攻撃機]]のみではなく、[[STOVL]]機や[[ヘリコプター]]が中心とされ、任務も、対潜掃討や輸送船団護衛、敵地に着上陸した地上部隊への[[近接航空支援]]など、従来は[[軽空母]]や[[護衛空母]]を充てていたものを中心とすることになっていた。~
コスト面で[[正規空母]]の投入に見合わない[[低強度紛争>紛争]]で限定的な[[制海権]]を得るための艦として計画された。~
[[軽空母]]や[[護衛空母]]の後継とする事を見込み、対潜掃討・船団護衛・[[海岸堡>橋頭堡]]への[[近接航空支援]]を主任務とする。~
[[艦載機]]としては[[STOVL]]機や[[ヘリコプター]]を主力とする事とされた。~
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本家のアメリカでは研究・実験が行われたのみ([[強襲揚陸艦]]をその任務にあてている)であるが、このコンセプトは、正規空母を保有・運用できない中小国の[[海軍]]((そもそも正規空母を保有・運用できる国自体が極めて少なく、アメリカ以外ではロシア・中国・フランス・ブラジルのみとなっている。))が空母を運用するのに最適の形態であるとされており、実際にスペインが1980〜1990年代に建造した「プリンシペ・デ・アストゥリアス」、「チャクリ・ナルエベト」(タイ海軍向け)では、このコンセプトが設計に取り入れられている。
アメリカでは研究・実験のみに留まり、最終的には[[強襲揚陸艦]]に統合された。~
しかし、[[正規空母]]の保有を諦めた諸国((アメリカ・ロシア・中国・フランス・ブラジル以外で[[海軍]]を持つ国家全てが該当する。))では[[航空母艦]]の主流として広く普及している。


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