【世界三大記念艦】(せかいさんだいきねんかん)

著名な活躍をあげて現役を引退後、「記念艦」として保存されている世界各国の艦船のうち、英国海軍の帆走戦列艦「ヴィクトリー」、アメリカ海軍の帆走フリゲート艦「コンスティチューション」、日本海軍の戦艦三笠」を並んで指す言葉である。*1

いずれの艦も、その国の歴史上重要な位置を占める海戦の中心として参加、輝かしい武功をあげてその国の独立を保つのに寄与したことを称え、その功績を後世に伝えるため永久保存することとされたものである。
保存の形態は三艦とも異なっており、「ヴィクトリー」は陸地に設置された乾ドックに固定、「コンスティチューション」は港に繋留*2、「三笠」は海岸に横付けした上で周囲の海面を埋め立て、陸地化して固定している。

「ヴィクトリー」「コンスティチューション」の二艦は、それぞれの国の海軍において現在もなお、現役軍艦として籍があり、現役軍人である艦長以下の乗組員が艦の管理に当たっている。
一方の「三笠」は第二次世界大戦で日本が敗北、それによって軍が解体されたため、旧海軍・海上自衛隊のOBや民間の篤志家が中心となって構成されている民間団体「財団法人三笠保存会」の手によって管理されている。*3


*1 帝政ロシア海軍の防護巡洋艦「アヴローラ」(1917年のロシア革命の火蓋を切ったとされる)を含める、とする主張も一部にある
*2 このメンテナンスのため、アメリカ海軍は閉鎖したボストン海軍工廠の一部施設を稼動状態で維持している
*3 もっとも、三笠の場合は当初、ワシントン海軍軍縮条約により廃棄しなければならないことになっていたという経緯もあり、保存に先立ち、書類上、軍艦籍から除籍する手続きが取られている。

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