【水密胴体】(すいみつどうたい)

航空機の胴体が、その名のとおり着水させても浸水しない構造になっているもの。
飛行艇になくてはならないもののほか、海上で運用するヘリコプターなどにも採用されることが多い。

そのメリットは、水上や海上に離着水することができることであり、発着場所の制限が大幅に解消されることである。
特に航空史の初期においては、エンジンなどの信頼性が低かったこともあり、非常着水ができる飛行艇が重宝された。
しかしながら、重量やコストの面で陸上機よりも大幅に不利で、特に水密を維持したり錆対策をしたりすることは大きな負担となる*1

このため飛行場の普及や陸上機の発達にともない、特に着水をする必要のある用途以外では、ほとんど廃れた。
水密胴体を持つ航空機で、現存するもののほとんどは軍用機である。

http://www4.plala.or.jp/klesa108/diary/atg0105/us1bow.jpg
US-1Aの船底型水密胴体、独特の消波装置を備える


*1 特に海上へ離着水する機体の場合、海水の塩分による腐食を防ぐために機体を真水で洗浄することが必要となる。

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