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*&ruby(すいちょくはっしゃしすてむ){【垂直発射システム】}; [#f8e6fcac]
Vertical Launching System (VLS)~
~
[[ミサイル]]発射装置の一種。[[戦闘艦]]の甲板下に埋め込むように設置される事が多い。~
発射筒は真上に向くように設計され、平時は蓋をされた発射筒が弾薬庫を兼ねる。~
発射された[[ミサイル]]は、真上に上昇しながら[[初期>初期誘導]]・[[中間誘導]]を受けて目標へ飛翔する。~
~
垂直発射システムは以下のような特徴を持つ。~
-利点
--発射機および弾薬庫の[[ペイロード]]容積を必要最小限に留められる。
--機械駆動の装填機構が存在しない為信頼性が高い。
--[[レーダー反射面積]]にほとんど影響を与えない。
--被弾時に被害を受けにくい。
--互換性が比較的高く、多種多様な弾体を発射できる。
--[[砲塔]]などの可動部分を必要としないため、連続発射が容易。
--悪天候時の保管が容易。
-欠点
--大型[[艦艇]]などの巨大な発射母艦を想定しており、小型艦や車両への搭載が困難。
--大型[[艦艇]]などの巨大な[[プラットフォーム]]への搭載を想定しており、小型艦や車両への搭載が困難。
--発射された[[ミサイル]]が極端な軌道での飛翔を強いられる。
---[[CIWS]]など、至近距離への攻撃には著しく不的確。
---[[対戦車ミサイル]]など、[[有効射程]]の短い小型[[ミサイル]]の運用にも著しく不的確。~
~
http://www4.plala.or.jp/klesa108/diary/yksk0407/dd-107_vls.jpg ~
[[いかづち>むらさめ]]のMk.41 VLS（[[RUM-139]]用）~
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**主な垂直発射システム [#n69168d0]
-アメリカ~
--[[Mk41]]：~
--[[Mk.41]]：~
汎用型。~
[[SM-1/2>RIM-66]]/[[3>RIM-161]]、[[VLA>RUM-139]]、[[トマホーク>BGM-109]]、[[ESSM>RIM-162]]など、様々な用途のミサイルを発射する事が可能。~
[[SM-1/2>RIM-66]]/[[3>RIM-161]]/[[6>RIM-174]]、[[VLA>RUM-139]]、[[トマホーク>BGM-109]]、[[ESSM>RIM-162]]など、様々な用途のミサイルを発射する事が可能。~
イージス戦闘システムの要であり、1基8セルで構成される。~
現在世界でもっとも多く運用されているVLSで、11ヶ国の[[海軍]]で16クラス、173隻の艦艇に搭載されて運用されている。~
~
--Mk45：~
潜水艦用。
[[ロサンゼルス]]級原子力潜水艦「プロビデンス（SS-719）」以降の艦と[[ヴァージニア]]級原子力潜水艦全艦の前部に搭載されている。~
--Mk.45：~
潜水艦搭載用。~
[[ロサンゼルス級>ロサンゼルス]]原子力潜水艦「プロビデンス（SS-719）」以降の艦と[[ヴァージニア級>ヴァージニア]]原子力潜水艦全艦の前部に搭載されている。~
また、[[オハイオ級>オハイオ]][[原子力戦略潜水艦>戦略潜水艦]]の1〜4番艦が[[巡航ミサイル]]潜水艦への改装時に搭載している。~
~
--Mk48：~
--Mk.48：~
[[シースパロー>RIM-7]][[艦対空ミサイル]]用。[[ESSM>RIM-162]]も搭載可能。~
~
---Mk.56：~
Mk.48のデュアルパックタイプ。ESSMを2発収容できる。~
~
--Mk.57 PVLS((Peripheral Vertical Launch System.))：~
--Mk.57"PVLS(Peripheral Vertical Launch System.)"：~
現在開発中の新型VLSでMk.41と同じく汎用型。~
[[ズムヴォルト]]級ミサイル駆逐艦に搭載予定。~
[[ズムウォルト級>ズムウォルト]]ミサイル駆逐艦に搭載されている。~
~
-ソ連/ロシア~
--B-203/B-204：~
[[S-300F「フォールト（SA-N-6『グランブル』）」>SA-10]][[艦隊防空ミサイル>艦対空ミサイル]]システム用。~
8発1セット回転式のVLSで、コールドローンチ方式を採用している。~
~
--B-203A：~
[[S-300F「フォールト（SA-N-6『グランブル』）」>SA-10]][[艦隊防空ミサイル>艦対空ミサイル]]システム用。~
[[S-300FM「フォールトM（SA-N-20『ガーゴイル』）」>SA-10]][[艦隊防空ミサイル>艦対空ミサイル]]システム用。~
射程・射高を拡大するとともに高速化し、限定的なミサイル防衛能力を付与した48N6E/E2ミサイルの搭載に対応させた型。~
[[コールドローンチ]]方式で、8発1セットの回転式となっている。~
~
--PU 4S95：~
--3S95：~
[[3K95「キンジャール（SA-N-9『ゴーントリト』）」>SA-15]][[個艦防空ミサイル>艦対空ミサイル]]システム用。~
発射方式はB-203Aと同様。~
~
--3S90E1：~
--3S90E.1：~
[[3K37「ヨーシュ（SA-N-12『グリズリー』）」>SA-17]]艦隊防空ミサイルシステム用。~
Mk.41と同じく箱型のタイプで1基12セルで構成される。~
当初、建造中の[[アドミラル・ゴルシコフ級（22350計画型）>アドミラル・ゴルシコフ]][[フリゲート]]に3基36セルが搭載されるとされていた((後に、3K96「リドゥート」に変更されている。))。~
---3K96「リドゥート」：~
上記の替わりに搭載された艦対空ミサイルシステム。~
当初、建造中の[[アドミラル・ゴルシコフ級（22350計画型）>アドミラル・ゴルシコフ]][[フリゲート]]に3基36セルが搭載される予定だったが頓挫。~
[[アドミラル・グリゴロヴィチ級（11356R/M計画型）>アドミラル・グリゴロヴィチ]][[フリゲート]]用に採用され、3基36セル搭載する。~
~
--3S97.2K：~
3K96「リドゥート」艦対空ミサイルシステム用。~
複数種の異なる対空ミサイルを搭載可能で、長距離から近距離まで対応できる。~
ミサイルは、長射程の48N6E2（[[S-400>SA-21]]）は1セルあたり1発、中射程の9M96Eであれば1セルあたり4発、短射程の9M100（[[R-77>AA-12]]ベース）であれば1セルあたり16発を収容できる。~
建造中の[[アドミラル・ゴルシコフ級（22350計画型）>アドミラル・ゴルシコフ]][[フリゲート]]やステレグシュチイ級フリゲート（2番艦以降）に搭載予定。~
~
--SM-233：~
[[P-700「グラニート（SS-N-19『シップレック』）」>SS-N-19]]用。~
[[P-700「グラニート（SS-N-19『シップレック』）」>SS-N-19]]重中距離[[対艦ミサイル]]用。~
ミサイル弾体があまりに長大なため、搭載する大型の[[キーロフ級>キーロフ]][[ミサイル巡洋艦>ミサイル艦]]や[[オスカー級>オスカー]][[原子力潜水艦]]の船体でも容易に収まりきらず、発射機を斜めにして高さを抑えている。~
~
--3S14E：~
[[3M54E「クラブN（SS-N-27）」>SS-N-27]]用。~
シュチーリ (SA-N-12) 用と同様の外観で、1基8セルから構成される。~
インド海軍の[[タルワー級>タルワー]][[フリゲート]]、シヴァリク級フリゲートに搭載されている。~
--3S14 UKSK（УКСК：Универсальный Корабельный Стрельбовой Комплекс、汎用艦発射複合体）：~
[[P-800「オーニクス（SS-N-26）」>SS-N-26]]および[[クラブシリーズ（3M54E、3M14E、91RTE2）>SS-N-27]]対艦ミサイル用。~
3K37「ヨーシュ（SA-N-12）」用と同様の外観で、1基8セルから構成される。~
インド海軍向けの[[タルワー級>タルワー]][[フリゲート]]、シヴァリク級フリゲートに搭載されている。~
ロシア本国ではアドミラル・ゴルシコフ級フリゲート（22350計画型）やステレグシュチィ級コルベット（20385計画型）に搭載される予定である。~
~
--3R14 UKSK（УКСК((Универсальный Корабельный Стрельбовой Комплекс：汎用艦発射複合体))）：~
[[クラブシリーズ（3M54E、3M14E、91RTE2）>SS-N-27]]および[[P-800「オーニクス（SS-N-26）」>SS-N-26]]対艦ミサイル用。~
アドミラル・ゴルシコフ級フリゲート（22350計画型）や改ステレグーシチー型コルベット（20385計画型）などに搭載される予定である。~
--3R-14V：~
3S14の潜水艦用VLS。~
[[P-800「オーニクス（SS-N-26）」>SS-N-26]]および[[クラブシリーズ（3M54E、3M14E、91RTE2）>SS-N-27]]対艦ミサイル用。~
セヴェロドヴィンスク級（885/885M号計画「ヤーセン/ヤーセンM」型）攻撃型原子力潜水艦に3連装発射機8基を搭載。~
~
-フランス~
--シルヴァー（SYLVER）：~
[[アスター]][[艦対空ミサイル]]用。~
用途に合わせてA35（[[MICA VL>MICA]]・[[クロタルVT1>クロタル]]用）・A43（MICA VL・クロタルVT1・アスター15搭載型）・A50（MICA VL・クロタルVT1・アスター30搭載型）・A70（アスター15/30・[[SCALP Naval>ストームシャドウ]]搭載型(([[SM-2MR>RIM-66]]や[[トマホーク>BGM-109]]の運用も可能である。))）の4種類がある。~
[[アスター]][[艦対空ミサイル]]/SCALP Naval[[巡航ミサイル]]用。~
用途に合わせてA35（[[MICA VL>MICA]]・[[クロタルVT1>クロタル]]用）・A43（MICA VL・クロタルVT1・アスター15搭載型）・A50（MICA VL・クロタルVT1・アスター15/30搭載型）・A70（アスター15/30・[[SCALP Naval>ストームシャドウ]]搭載型の4種類がある。~
~
-イギリス~
--[[シーウルフ]]：~
GWS26（後期型）で採用され、即応性が向上した。~
VLSは1本1本が独立した円筒形発射機を組み合わせており、8本で1基を構成している。~
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--CAMM((Common Anti-Air Modular Missile.))/シーセプター：~
--CAMM(Common Anti-Air Modular Missile.)/シーセプター：~
[[レイピア]]やシーウルフの後継として開発中の短距離防空/個艦防空ミサイル。~
SVL（ソフト・バーティカル・ランチ）と呼ばれる発射機のピストンによってミサイルを射出したのち、空中で[[固体燃料ロケットモーター>固体燃料ロケット]]に点火するという新しい発射方式を採用している。~
発射方式として新規のSVL（ソフト・バーティカル・ランチ）方式を採用している。~
これは発射機からピストンで弾体を射出したのち、空中で[[ロケットエンジン]]に点火するというもの。~
~
-イスラエル~
--[[バラク]]：~
--[[バラク-��>バラク]]：~
短距離艦対空ミサイル。~
VLSからの運用を前提に開発され、1基8セルで構成される。~
開発中の艦隊防空用ミサイル型「バラク-8」もMk41か専用VLSにより運用される予定。~
開発中の艦隊防空用ミサイル型「バラク-8」もMk.41か専用VLSにより運用される予定。~
~
-中国~
--紅旗9（HQ-9）：~
コールドローンチ方式で1基6セルで構成される。~
[[蘭州級>052C型]][[駆逐艦]]に搭載。~
~
--紅旗16（HQ-16）：~
外形はMk.41に酷似しており、1基8セルで構成される。~
[[江凱II型（054A型）>054型]][[フリゲート]]に搭載。~
[[江凱�況拭�054A型）>054型]][[フリゲート]]に搭載。~
~
--GJB(Guo-jia Jun-yong Biao-zhun：国家軍用標準)5860-2006：~
紅旗9（HQ-9）艦隊防空ミサイル用。~
[[旅洋-�祁拭�052D型）>052D型]]駆逐艦に搭載。~
HHQ-9以外にも、[[艦対艦ミサイル]]や対潜ミサイル、対地[[巡航ミサイル]]の運用にも対応した汎用型となっている。~
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-南アフリカ
--ウムコントゥ：~
個艦防空ミサイル。~
搭載するミサイルには[[赤外線誘導]]のウムコントゥ-IRと[[レーダー誘導]]のウムコントゥ-Rの2バージョンがある。~
--[[ウムコント]]：~
デネル・エアロスペース・システムズ社製の個艦防空ミサイル。~
搭載ミサイルは[[赤外線誘導]]のウムコント-IRと[[レーダー誘導]]のウムコント-Rの2バージョンがある。~
8セルで1セットを構成する。~
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-韓国
--国産VLS：~
艦対地ミサイル「天竜（チョニョン）」巡航ミサイルおよび「紅鮫（ホンサンオ（K-ASROC））」対潜ミサイル専用。~
外形・寸法はMk41とほぼ同一だがコールドローンチ方式を採用している。~
--K-VLS：~
「天竜（チョニョン）」[[艦対地ミサイル]]および「紅鮫（ホンサンオ（K-ASROC））」[[対潜ミサイル]]専用。~
外形・寸法はMk.41とほぼ同一だが[[コールドローンチ]]方式を採用している。~
[[世宗大王級>世宗大王]][[駆逐艦]]に搭載。~
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-インド~
--PJ-10「ブラモス」：~
ロシアと共同開発した対艦巡航ミサイル用。1基8セルから構成される。~
ラージプート級駆逐艦の一部が改装により搭載されたほか、今後新造艦への搭載が予定されている。~
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