*&ruby(しんでん){【震電】}; [#pcab27a2]
九州飛行機 J7W [[局地戦闘機]]「震電」。~
昭和18年後半以降の試作なので正しくは[[乙型戦闘機>乙戦]]である。~
[[空冷エンジン]]の空気抵抗を減らす為、発動機を機体後方配置とする[[推進式>プッシャー式]]とし、[[先尾翼]]を採用した本機は、昭和19年に試作が開始された。~
尾翼が機首にあり、[[主翼]]に若干の[[後退角]]を付けた本機の設計は極めて特異で全く前例が無く、まず手始めに[[縮図模型機>滑空機]]を製作して飛行特性の確認を行った。問題ない事を確認すると直ちに試作が開始された。~
武装は強力な五式三十粍[[機関砲]]一型乙4門、またエンジンも「ハ−43-42」搭載で最高時速750Km以上と見込まれた。~
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開発時には既に[[B-29]]による空爆が本格化しており、[[B-29]]迎撃の為にも製作が急がれた。~
そして昭和20年6月、試作初号機が完成。試験飛行初回にて、後部のプロペラを滑走路で擦って失敗。修理の後、8月に3度試験飛行を行うが、その後発電機が故障した為、実戦投入を果たせずに敗戦を迎えた。~
全3回の試験飛行では全力飛行はしておらず、[[カタログスペック]]通りの性能が出せたかは不明である。~
[[ジェットエンジン]]搭載型の「震電改」も計画されていた。~
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戦後、進駐してきた[[アメリカ軍]]に初号機の機体や設計図、資料が接収され、現在は[[スミソニアン航空宇宙博物館]]に分解され保存されている。しかし復元される予定はないという。~
**性能諸元 [#qef2e9a9]
全長：9.76m~
全高：3.55m~
全幅：11.114m~
翼面積：20.50��~
重量：3,525kg(空虚)/4,950kg(運用)~
最大離陸重量：5,272kg~
エンジン：三菱製ハ-43-42(MK9D改)星形複列18気筒(延長軸・強制空冷・フルカン継手過給機、出力2,130HP、1590kW)~
最大速度：750km/h(高度8,700m時)~
巡航速度：425km/h~
航続距離：1,000〜2,000km(装備によって変化)~
実用上昇限度：12,000m~
上昇率：750m/min~
武装~
機関銃：五式三十粍[[機関砲]]一型乙(一門中り弾丸60発携行、発射速度：毎秒6〜9発)4門~
訓練用：7.9mm航空機銃2丁、写真銃1機~
爆装：六番(60kg)爆弾4発、三番(30kg)爆弾4発 の何れかor混載~
