【心神】(しんしん)

TRDI/三菱ATD-X*1「心神」.

日本の防衛省技術研究本部防衛装備庁三菱重工業が開発中の先進技術実証機
2016年1月に「X-2」と命名された。

機体は新複合材料で製作され、ステルス性と高運動性を備えた高運動飛行制御システムを取り入れる。
また、開発費を抑えるため、キャノピーT-4の物を流用するなどしている。

操縦系はフライバイワイヤーを使用するが、高運動性を実現する為、前縁フラップ駆動系統にはP-1で採用されたフライ・バイ・ライト(FBL)を採用する。

電子機器類では高性能フェイズドアレイレーダーに電子妨害装置を組み込んだ多機能RFセンサ、機体に張り付ける薄いレーダー・スマートスキンセンサーが装備される。
エンジンはIHI製のXF5-1という高機動エンジンA/B推力約5t)を2基搭載する予定。
なお、このエンジンは新開発のパドル式推力変更装置による急速な方向転換、超音速飛行が可能とされている。

2016年2月中旬以降に初飛行を予定している。

仮想敵国である中国(中華人民共和国)及びロシアのステルス戦闘機を想定したアグレッサーとして運用し、レーダーシステムを含めた総合的な防空能力を高める狙いもあるとされている。
得られたデータは、将来的な国産ステルス戦闘機の開発のための下地として生かされる予定である。

なお、本機はあくまでも「技術開発とその実証試験」を目的とした機体である為、武装を施して戦闘機として運用する事は考えられていない。
そのため、エンジンの推力や機体サイズなどを指して「実戦は不可能である」などと言う評価は的を得ていない。

スペックデータ

※実物大RCS実験模型
全長14m
全高9m
全幅10m
離陸重量8t(想定)
エンジンIHI XF5-1ターボファン×2基(アフターバーナー推力:約5t)
速度マッハ2.50(高高度において)



*1 Advanced Technological Demonstrator-X:先進技術実証機の略。

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