• 追加された行はこの色です。
  • 削除された行はこの色です。
*&ruby(しょういだん){【焼夷弾】}; [#f05003f5]

着弾点で火災を発生させる事を目的とする砲弾・[[爆弾]]。~
日本では字面から誤解される事があるが、[[燃料気化爆弾]]は焼夷弾ではない。~
また、[[ゲリラ]]や暴徒などは[[手榴弾]]に似た手製の焼夷弾(火炎瓶)を利用する事がよくある。

着弾点で火災を発生させる事を目的とする砲弾・[[爆弾]]((日本では字面から誤解される事があるが、[[燃料気化爆弾]]は焼夷弾ではない。))。~
~
炎は[[装甲]]を破壊できないため、防護の堅牢な[[軍事目標]]に対してはあまり有効ではない。~
主たる標的は十分な防護のない車両、離陸前の[[航空機]]、集積所などの物資、そして人体である。~
主たる標的は十分な防護のない車両、[[離陸]]前の[[航空機]]、集積所などの物資、そして人体である。~
~
森林戦などでは、炎を障害物として利用する事で[[行軍>機動]]や[[潜伏>ゲリラ戦]]を妨害するためにも用いられる。~
民間に対する[[戦略爆撃]]にも適するが、延焼によって必要以上に被害が拡大するため近年あまり用いられない。

民間人に対する[[戦略爆撃]]にも適しているが、延焼によって必要以上に被害が拡大するため、近年ではあまり用いられていない。~
また、[[空爆]]に用いる場合は屋根を貫通するような鋭利な構造を持つ場合が多い。~
そうでなくともキログラム単位の重量物であるため、人体に直撃すれば致死的である。~
避難民で混雑する道路上に投下され、犠牲者を串刺しにした後に死体を炎上させた事例もある。

[[歩兵]]レベルでは、対戦車火器を持たない状況下で装甲車両と戦うために使われる事がある。~
避難民で混雑する道路上に投下され、犠牲者を串刺しにした後に死体を炎上させた事例もある((そうでなくともキログラム単位の重量物であるため、人体に直撃すれば致死的である。))。~
~
一方、[[前線]]の[[歩兵]]レベルでは、対戦車火器を持たない状況下で装甲車両と戦うために使われる事がある。~
機械は総じて熱に弱く、センサーや[[銃火器>ガン]]が炎に直接触れれば故障や[[暴発>誤射]]の危険が生じる。~
また、[[装甲]]で守られた車両でも、ガソリン[[エンジン]]であれば[[燃料]]に引火する危険がある。~
そうでなくとも、兵器は極度の高熱に長時間さらされ続けても耐えられるようには設計されない((そんな耐久性能には意味がない。火災が生じたなら迅速に消火すれば良いだけの話である。&BR;  それ以外の理由で致命的な高温が長時間続く環境に置かれた場合、もはや脱出も救出も不可能であろう。))。~
そして何より、高熱と燃焼ガスと酸素不足は車内で操作を行う人員にとって致死的である。
そうでなくとも、兵器は極度の高熱に長時間さらされ続けても耐えられるようには設計されない((そんな耐久性能には意味がない。火災が生じたなら迅速に消火すれば良いだけの話である。&BR;  それ以外の理由で致命的な高温が長時間続く環境に置かれた場合、もはや脱出も救出も不可能であろう。))し、高熱と燃焼ガスと酸素不足は車内で操作を行う人員にとって致死的である。

>ただしそれは「誰も消火できない」という理想的な条件下であれば、の話である。~
現代において火災対策と消火設備を施していない軍用車両などそうそう存在するものではない。~
また、暴徒鎮圧に際しても消火装備や放水車が投入されるのが定石となっている。~
それらの対抗戦術が功を奏し、火炎瓶によって深刻な損害が生じた例は近年あまり見られない。

**主な焼夷弾の種別 [#i26f71a1]
:エレクトロン焼夷弾|[[照明弾]]を兼ねる。金属のテルミット反応で着火し、酸素不要。水中でも燃え続ける。
:焼玉式焼夷弾|石や[[鉄]]の砲弾を炉にくべ、赤熱した状態のまま装填・発射するもの。~
木造船に対して有効だったが、炉それ自体が火災を誘発するため[[艦載砲]]には用いられなかった。~
19世紀後半まで使用されていたが、[[榴弾]]の実用化とともに姿を消していった。~
:エレクトロン焼夷弾|金属のテルミット反応で着火されるもの。[[照明弾]]を兼ねる。~
内蔵された[[酸化鉄>鉄]]から酸素を得るため水中や地中でも燃え続け、有効な消火方法がない。
:油脂焼夷弾|可燃性の高い油を使うもの。一般に[[ナパーム弾]]として知られる最も有名な焼夷弾。
:黄燐焼夷弾|黄燐の自然発火を利用したもの。主に[[手榴弾]]として用いられる。
:黄燐焼夷弾|黄燐の自然発火を利用したもの。主に[[手榴弾]]として用いられる。~
黄燐は猛毒だが、大気に触れるとすぐに酸化・拡散して毒性を失う。~
:火炎瓶|[[燃料]]を封入したガラス瓶に、[[燃料]]に浸した布で栓をしたもの。~
ライターなどで栓に火を付けてから投げる事で、瓶が割れて撒き散らされた[[燃料]]に着火する。~
軍隊で制式に製造された事はなく、[[民兵]]や[[ゲリラ]]兵がその場で自ら作成する。
[[民兵]]や[[ゲリラ]]が[[前線]]で自ら作成することが多い。
:焼夷榴弾|[[榴弾]]の内部に焼夷剤を混ぜ、発火性の"熱破片"をまき散らすもの。~
主に[[高射砲]]で用いられ、吸気孔などを通じて[[エンジン]]火災を誘発する。
:徹甲炸裂焼夷弾|[[徹甲榴弾]]の一種。[[装甲]]や壁面を貫通した後、内部での火災を誘発する。~
:徹甲焼夷弾(armor piercing incendiary:API)|[[徹甲弾]]と焼夷弾の機能を併せ持つ砲弾・銃弾。敵の[[装甲]]を貫いて、内部で燃焼する。
:徹甲炸裂焼夷弾(High Explosive Incendiary/Armor Piercing Ammunition:HEIAP((Semi-armor piercing high explosive incendiary:SAPHEIとも。)))|[[徹甲榴弾]]の一種。[[装甲]]や壁面を貫通した後、内部での火災を誘発する。~
主に[[対物ライフル]]や[[機関砲]]で用いられ、車両や[[航空機]]の[[燃料]]に引火させる事を狙う。


トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS