【将（自衛官）】(しょう（じえいかん）) †

将(甲)General d'Armee(aerinne)(陸将、空将) / Amiral(海将)
将(乙)General de Division(aerinne)/OF-8(陸将、空将) /　Vice-Amiral/OF-8(海将)

自衛官に於ける最高位の階級。
旧軍及び外国軍では中将及び大将に相当する。

陸上自衛隊では「陸将」、海上自衛隊では「海将」、航空自衛隊では「空将」と称する。

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その役職 †

将は細かく分けると「将(甲)」と「将(乙)」の二つに分かれる。

将(甲)は旧軍および外国軍隊での「大将」と同様に扱われており、陸上・海上・航空の幕僚長及び統合幕僚長を務める*1。
任免にあたっては将(乙)や将補と同様、防衛大臣が内閣総理大臣へ上申し、閣議を経てなされているが、現在、これを天皇の認証を必要とする「認証官」にする動きがある。

なお、統合幕僚長については出身自衛隊での階級をそのまま名乗る。

将(甲)になった者は、将(乙)とは異なる以下のような扱いがなされる。

  • 階級章は将(乙)の三つ星に対して四つ星が与えられ、英語訳も「大将」と同じ「(Full) General（陸将及び空将）」及び「(Full) Admiral（海将）」となる。
  • 定年は62歳に延長される（将(乙)は60歳が定年）
  • 退官時に皇居へ参内の上、政府から勲章（瑞宝重光章もしくは瑞宝中綬章*2）を授与される*3。
  • 死去の際には従三位から正四位の位階が贈られる。

一方、将(乙)は中将と同様にみなされており*4、各自衛隊において以下のような職を務める。

陸上自衛隊
副幕僚長、方面総監、師団長など
海上自衛隊
副幕僚長、自衛艦隊司令官（その他、隷下の各メジャーコマンド指揮官も含む）、地方総監など
航空自衛隊
副幕僚長、航空総隊司令官（その他、隷下の各メジャーコマンド指揮官も含む）、航空方面隊司令官など

1986年までは、俸給上、指定職の適用を受ける「将(1)」とそれ以外の「将(2)」に分かれていたが、所謂「将官減らし」と呼ばれる人員整理*5が行われたため、現在の将は全員指定職である。

なお、かつての前身組織では「警察監(甲)(保安監(甲))（警察予備隊→保安隊）」「(海上)警備監(甲)（海上警備隊→保安庁警備隊）」と称されていた。

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幕僚長が「4つ星」になった経緯 †

前述の通り、統合幕僚長及び各幕僚長の階級章は「4つ星」になっているが、これは1950年代、航空幕僚長を務めた故源田実氏が海外視察の際、当時の各幕僚長が3つ星の「将」であったが故に中将の栄誉礼しか受けられなかった事に激怒し、勝手に4つ星にして視察に出かけた事がその由来である。
本来ならばこれは階級詐称であり、重大問題であるのだが、4つ星の海外での影響を考慮してか、氏に対する処分は一切されなかった。

その後、1967年12月に正式に幕僚長の階級章が4つ星と定められた。

但し、この事で「制服組の地位が貶められてしまった」という声が古今内外問わず多いのも事実である。

*1 そのため、全自衛官の中でも4名しか存在しない。
*2 2003年までの栄典制度では、それぞれ勲二等および勲三等相当。
*3 2014年の春の叙勲で、元統幕議長の竹河内捷次氏（退官時空将）が統幕議長経験者としては初めて瑞宝大授章を授与された。
　　自衛官が勲一等(相当)の叙勲を受けるのは実に38年ぶりのことである。
*4 英訳は「Lieutenant General（陸将及び空将）」、「Vice Admiral（海将）」。
*5 これにあたってはイギリス軍の将官比率を参考にしたとされるが、それでも、全将兵に占める将官の数は諸外国と比べて依然として多い。

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