【巡洋戦艦】(じゅんようせんかん)

巡洋艦の速力と、戦艦級の艦載砲を兼ね備えた艦。
戦艦ではなく、装甲巡洋艦を拡大発展させたもの。
1908年にイギリス海軍が建造したインビンシブル級が世界初の巡洋戦艦である。

第二次世界大戦後半に出現した高速戦艦(アイオワ型など)と違うのは、速力のために装甲を犠牲にしている(あるいは重視されていない)点で、装甲など直接的な防御力は「巡洋艦よりも多少マシ」というレベルに抑えられている。
そのため、巡洋戦艦同士の砲撃戦が発生したユトランド沖海戦?では英独双方で大きな損害を出した。
第一次世界大戦後は、その戦訓から各国とも防御力強化のため改装を施したが、やはり本式の戦艦に比べればその防御力は劣り、第二次世界大戦に投入された巡洋戦艦のうち、生き残ったのは英国の「レナウン」とトルコの「ヤウズ」*1だけだった。

なお、日本語では巡洋戦艦と表記されるが、海軍の本家であるイギリス海軍では「Battle Cruiser」と巡洋艦の一種として扱っている。
これは、この艦種の生い立ちや実際の運用法から見てまったく妥当な呼び名であり、また本艦種の限界も良く表している。

ちなみに、アメリカ海軍のアラスカ級は、12インチの主砲を備えているものの巡洋艦に分類される。

代表的な艦

  • 金剛型(日本海軍)
  • フッド?型(英国海軍)
  • シャルンホルスト?型(ドイツ海軍)
  • キーロフ型(ソビエト連邦→ロシア連邦海軍)

*1 旧ドイツ艦「ゲーベン」→オスマン・トルコ帝国「ヤウズ・スルタン・セリム」→「ヤウズ・セリム」。
  なお、本艦は戦後の1960年まで艦籍があり、NATO?参加国海軍の統一艦籍番号「B70」を与えられていた。


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