【巡航速度】(じゅんこうそくど)

乗り物が最良の効率(燃費)で巡航できる速度
一般的には同じ距離を移動する際の燃料消費量が最小になる速度を意味する。

基本的には同じ速度で長時間巡航する航空機艦艇のための概念で、車両では一般的でない。
地上では障害物や路面状況などに応じて頻繁に加減速や停止が繰り返されるため、巡航速度に実質的な意味はない*1

総合的に最少のコストで運行できる「経済巡航速度」が別途に計算される場合もある。
実際の業務では輸送効率・燃料価格相場・契約関係で生じる利鞘なども勘案する必要があるため。
また、機体にとって最適な巡航速度で動く事が許されない状況も少なくない。

エンジンは一般に回転速度が早いほど効率が良く、ある程度までは加速した方が燃費が良い。
また一方で、物理的に速度が速いほど必要な燃料は増え、ある程度を越えると効率が落ちていく。
その「ある程度」が巡航速度なのだが、それがどの程度かはエンジンや各種部品、機体全体の構造などで変化する。

航空機など軍用の乗り物は、目的地までの行程を巡航速度で移動する。
しかし撤退マニューバー、臨時作戦などの緊急事態では燃費を無視して最高速度で機動する事もある。
兵器は緊急の最高速度を重視して設計される事も多いが、一般に最高速度が高いほど巡航速度での航続距離は短いとされる。

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*1 なお、自動車メーカーの多くは車種ごとの構造的な巡航速度を公表していない。
  人体の反応速度では安全確保が不可能な速度であり、また大抵は現地で定められた法定上限速度を越えているためである。


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