【准定期運送用操縦士】(じゅんていきうんそうようそうじゅうし)

Multi-crew Pilot License(MPL).

日本の航空法において定められている、航空機パイロット航空士)の資格のひとつ。
定期航路の旅客機貨物機副操縦士として操縦するための資格として、2013年に創設された。

従来、旅客機貨物機副操縦士として業務に就くには少なくとも事業用操縦士の資格が必要とされていたが、事業用操縦士資格は元来、使用事業等の小さな飛行機機長となるための資格であり、大型機の副機長としての業務には必要のない「単座機専用」の事項が多数ある一方、「機長を補佐する操縦士」としての技能については特段の定めがなかった。
そのため、「副操縦士専用の資格」として設けられたのがこの資格であり、資格取得のための訓練期間は事業用操縦士に比べてある程度短くできる。

業務範囲は、航空法により

  1. 機長以外の操縦者として、構造上、その操縦のために二人を要する航空機の操縦を行うこと。
  2. 機長以外の操縦者として、特定の方法又は方式により飛行する場合に限りその操縦のために二人を要する航空機であつて当該特定の方法又は方式により飛行するものの操縦を行うこと。

とされている。

現在、本資格を取得する道は航空会社での自社養成のみに限られているが、それ以外では将来的にも航空大学校、もしくはその他指定の航空従事者養成施設に限られるものとみられている。

関連:定期運送用操縦士 事業用操縦士

資格取得の要件

本資格取得に必要な要件は、航空法施行規則別表により以下のとおり定められている。
なお、本資格の種別は「飛行機」の一種のみとなっており、回転翼機飛行船滑空機の種別はない。

年齢
18歳以上であること。
飛行経歴
航空大学校又は指定航空従事者養成施設において飛行機による次のa〜dの飛行を含む240時間(模擬飛行時間を有するときは、当該時間を減じた時間とすることができる。)以上の飛行訓練を受けたこと。
a.10時間以上の単独飛行・出発地点から270キロメートル以上の飛行で、中間において2回以上の生地着陸をするものを含む5時間以上の単独操縦による野外飛行・夜間における離陸着陸及び航法の実施を含む20時間以上の同乗教育飛行を含む35時間(模擬飛行時間を有するときは、当該時間(5時間を限度とする。)を減じた時間とすることができる。)以上の飛行。
b.異常な姿勢からの回復を行う飛行。
c.夜間の飛行。
d.計器飛行

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