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*&ruby(じゅうりょくたーん){【重力ターン】};
ロケットの進行方向を惑星の重力を利用して方向転換を行わせる方法。~
言葉は難しいが、要は重力による放物線運動である。~
*&ruby(じゅうりょくたーん){【重力ターン】}; [#bac4eff3]

宇宙空間を航行する際、天体の[[重力]]を利用して機体を旋回・加速・減速させる事。~
「重力スリング」「スウィング・バイ」「フライ・バイ」「重力推進」とも。~
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日本の[[ミューロケット]]は重力ターンを利用しており、打ちあげ後(基本的には斜めに打ち上げる)、ロケットが放物線の頂点に達して速度が0となり落下を開始、頭を下げ水平になる状態の時にその水平方向に[[ロケットモーター]]を噴射し加速、衛星を軌道に乗せる...という方法である。~
驚くことに初期のものは総て無誘導で、[[ロケットモーター]]点火のタイミングを地上から指令するだけであり、何のことはない巨大なロケット花火とも言えた。~
あえて天体の近傍を通過して重力圏内に進入し、重力に引き寄せられる作用に乗って軌道を変える。~
この時、軌道制御を誤ると想定外の進路に進んでしまったり、周回軌道から脱出できなくなったり、落下・[[墜落]]する恐れがある。~
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また、天体は公転しているため、その重力は公転軌道に沿うようなベクトルをもって作用する。~
このため、公転軌道から見て後方を通過すると重力によって機体が加速され、逆に前方を通過すれば減速する。~
公転速度が速いほど、重力圏から脱出する(または脱出不能になる)までに利用できる[[位置エネルギー]]の総量も大きくなり、より強く加速・減速できる。~
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現行の[[ロケットエンジン]]の[[推力]]は宇宙航行に際して非常に心許なく、地球軌道から離れた宇宙航行では重力の作用を無視できない。~
ことさら、複数の天体を経由したり、太陽系の外に脱出するような航行計画では重力ターンを積極的に実施する必要に迫られる。


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