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*&ruby(しゅりょくせんしゃ){【主力戦車】}; [#waadc9cc]
Main Battle Tank (MBT)~
[[戦車]]の区分のひとつ。現代で「[[戦車]](Tank)」とのみ称する場合、それは原則として主力戦車を指す。~
[[戦車]]の区分のひとつ。~
現代で「[[戦車]](Tank)」とのみ称する場合、それは原則として主力戦車を指す。~
基本的には以下の要件の全てを備えた車両を指す。

-[[機関砲]]を事実上無力化する[[装甲]]を備えている事
-自身を撃破可能な[[火砲>ガン]]を搭載している事
-戦場までの行軍および[[撤退]]を自力で行えるだけの[[機動力]]を持つ事

自らの主砲に対する[[対応防御]]を意識して設計されるが、それが達成できているかどうかは必ずしも問われない。~
また、足回りには不整地に強い無限軌道が用いられるが、これも必須ではなく、単に無限軌道が設計上の最適解であるに過ぎない。

**現代の戦車区分 [#vcea1f5d]
かつて戦車が最も活用された[[第二次世界大戦]]期には多種多様な[[戦車]]が存在していたが、その多くは発展的解消を遂げている。~
現代の軍事的常識においては、戦車は基本的に軽戦車・中戦車・重戦車の三種類に分類される。~
**戦車の区分の変遷 [#uc91091e]
かつて、戦車が最も活用された[[第二次世界大戦]]期には多種多様な[[戦車]]が存在していたが、その多くは発展的解消を遂げている。~
~
戦車は、基本的に次の三種類に分類される。~
:軽戦車|[[装甲]]防御をほぼ度外視し、高速移動する砲台として扱われる車両。~
簡素で耐久性に劣る分、調達や整備が容易である。~
現在では「重火器を搭載した乗用車・小型トラック((小型四輪駆動車やバギーに、[[重機関銃]]・[[迫撃砲]]・[[対戦車ミサイル]]などの[[歩兵]]用重火器を備える事が多い。))」に置き換えられて発展的解消を遂げている。~
また、[[歩兵戦闘車]]や[[装甲兵員輸送車>APC]]が「軽戦車」(Light tank)と形容されることも多い。

軽戦車は[[装甲]]をほぼ度外視し、移動する砲台として扱われるものを指す。簡素で耐久性に劣る分、調達や整備が容易である。~
中戦車は軽戦車と重戦車の中間であり、あらゆる戦場に対応可能なよう大量生産される、最も一般的な戦車である。~
重戦車は単体陸上戦力として最高級の[[装甲]]と火力を兼ね備える。しかし鈍重で運用に難があり、[[兵站]]に甚大な負荷を掛ける。~
~
現代の[[戦車]]は基本的に重戦車の後継であり、[[エンジン]]と材料工学が許す限り最高の[[装甲]]を備える事が大前提となっている((このような変遷は、[[成形炸薬弾]]の飛躍的進歩と爆発的普及に負う所が大きい。&br;  [[歩兵]]の[[RPG]]1発で手軽に破壊できるようでは[[戦車]]戦術が崩壊するが、中戦車以下の[[装甲]]重量で[[RPG]]を防ぐのは物理的に困難である。))。~
:中戦車|軽戦車と重戦車の中間であり、あらゆる戦場に対応可能なよう大量生産される、最も一般的な戦車。~
現在ではエンジン・装甲防御の強化で事実上重戦車と統合され「[[主力戦車]]」となっている。~
なお、役割の一部は[[機械化]][[歩兵]]や[[攻撃ヘリコプター]]に継承されている。

:重戦車|単体陸上戦力として最高級の[[装甲]]と火力を兼ね備える車両。~
しかし鈍重で運用に難があり、[[兵站]]に甚大な負荷を掛ける。

現代の[[戦車]]は、基本的に重戦車の後継であり、[[エンジン]]と材料工学が許す限り最高の[[装甲]]を備える事が大前提となっている((このような変遷は、[[成形炸薬弾]]の飛躍的進歩と爆発的普及に負う所が大きい。&br;  [[歩兵]]の[[RPG]]1発で手軽に破壊できるようでは[[戦車]]戦術が崩壊するが、中戦車以下の[[装甲]]重量で[[RPG]]を防ぐのは物理的に困難である。))。~
とはいえ、[[エンジン]]技術の進歩によって重戦車の「重い」という弱点の一部は克服されている。~
主力戦車はかつての重戦車に匹敵する[[装甲]]を持ちつつ、かつての中戦車に匹敵する[[機動力]]を備えるのが常となっている。

>現代の軽戦車は「重火器を搭載した乗用車」に置き換えられ、戦車(Tank)と呼ばれる事はない。~
小型四輪駆動車やバギーに、[[重機関銃]]・[[迫撃砲]]・[[対戦車ミサイル]]などの[[歩兵]]用重火器を備える事が多い。

>現代の中戦車は[[機械化]][[歩兵]]や[[攻撃ヘリコプター]]へと継承され、純粋な意味で[[戦車]]として扱われる事はない。~
ただし、[[歩兵戦闘車]]や[[装甲兵員輸送車>APC]]はしばしば「軽戦車」(Light tank)と形容される。

**主力戦車の世代 [#t9742857]
主力戦車はその分類が生まれてから現代までの短い期間で世代ごとに分類されている。~
各世代を代表する主力戦車はおおむね以下の通り。


-第1世代
-第1世代
--M47/[[M48「パットン」>M48]](アメリカ)
--センチュリオン(英国)
--[[61式戦車]](日本)
--[[T-54]]/[[T-55]](旧ソ連)
-第2世代
-第2世代
--[[M60>M60(戦車)]](アメリカ)
--[[チーフテン]](英国)
--[[レオパルト1]](ドイツ)
--[[T-62]]/[[T-64]](旧ソ連)
--[[Strv.103]](スウェーデン)
--AMX-30(フランス)
-第2.5世代((第2世代としては開発時期が遅すぎ、第3世代としては性能に不足がある。中間分類を行わない場合は第2世代に類する。))
-第2.5世代((第2世代としては開発時期が遅すぎ、第3世代としては性能に不足がある。中間分類を行わない場合は第2世代に類する。))
--[[74式戦車]](日本)
--[[T-72]](旧ソ連)
--[[レオパルド1A1>レオパルト1]](ドイツ)
--メルカバ(イスラエル)
--96式戦車(中国)
--[[CM11「勇虎式戦車」>M48]](台湾)
--K1(韓国)
-第3世代
-第3世代
--[[M1]](アメリカ)
--[[チャレンジャー1>チャレンジャー]](英国)
--[[90式戦車]](日本)
--[[レオパルト2>レオパルト]](ドイツ)
--[[T-80]](ロシア)
--K1A1(韓国)
--98式戦車(中国)
-第3.5世代((同上。第4世代と呼べるほどの革新性はないが、第3世代と完全に同列ではない。))
-第3.5世代((同上。第4世代と呼べるほどの革新性はないが、第3世代と完全に同列ではない。))
--[[M1A2>M1]] (アメリカ)
--AMX-50「ルクレール」 (フランス)
--[[レオパルド2A5>レオパルト]](ドイツ)
--[[チャレンジャー2]](イギリス)
--[[T-84]](ウクライナ)
--[[T-90]](ロシア)
--メルカバMk.4(イスラエル)
--99式戦車(中国)
--[[10式戦車]](日本)
--K2(韓国)


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