【蛇行機動】(だこうきどう)

前進を続けながらも小刻みに右折左折を繰り返し、蛇が体をくねらせる様子に似た独特の軌跡を描きながら進む事。
戦闘機が攻撃を回避するために行うマニューバーの一種。艦艇戦車でも似たような回避機動を取る事がある。

基本的には火砲から身を守るために行われる。
進路変更を何度も繰り返す事で位置予測を困難にし、偏差射撃の命中率を下げるものである。

空対空ミサイルを撃たれた場合に、ドラッグ機動を放棄して前進を続けるために行う事もある。
ミサイルは蛇行する標的を進路上に捉えるために旋回を繰り返す事になり、運動エネルギーと燃料が浪費される。
これによって実効上の有効射程を激減させ、ミサイル燃料を途中で使い果たさせる事ができる。
この用法はドラッグ機動で逃げ切る事が可能な空戦でのみ行われる。艦艇の速度で蛇行してもミサイルに有意な影響は及ぼさない。
また、十分に接近した状態で撃たれたミサイルに対しては意味を持たない。

蛇行機動でミサイルを回避した場合、前進を続ける事になるため、敵機との距離が接近していく事になる。
つまり、遠くから撃たれた初弾は蛇行機動で回避できたとしても、接近後に撃ち込まれた次弾を回避できる見込みはまずない。
自機の有効射程ギリギリまで蛇行しながら接近し、撃たれる前に撃って即座にドラッグ機動に移る、というような戦術が想定される。

いずれにせよ攻撃を回避する効能は限定的なものであり、確実に生還できるような行動ではない。
避けようのない死に対する短時間の延命を企図するものであり、その極限の短時間のうちに攻撃を行い敵を潰す事によって生還を図る。


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