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*&ruby(しっそく){【失速】};
*&ruby(しっそく){【失速】}; [#ff2d7676]
stall.~
[[飛行機]]の[[主翼]]表面の空気の流れが[[剥離]]し、[[揚力]]が生み出せなくなった状態のこと。~
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[[飛行機]]は飛行速度に比例して[[揚力]]を得るため、一定以上の低速飛行をした場合、機体の重量を支えるだけの[[揚力]]を得られなくなってしまう。~
そこで、[[揚力]]の減少分を補うため[[迎え角]]を大きくして(機首上げ動作)、[[揚力係数]]を増加させることにより、速度に対する[[揚力]]を増加させる。~
しかしながら[[迎え角]]を大きく取りすぎると、翼上面を流れる気流が乱れはじめ、ついには[[剥離]]してしまう。この状態になると機体に働く[[揚力]]は全くなくなるため、重力加速度に従って、機体の姿勢に関わらず、下に落ちだすことになる。~
また、この状態に陥った時には、主翼に働く[[揚力]]が無いことや十分な速度が無い状態であることから、操縦や機体の安定を失うことになる。~
[[飛行機]]の[[主翼]]が十分な[[揚力]]を生み出せなくなり、急激に落下し始める事。~
これに伴って機体制御が不安定になり、体感的な[[操縦士>エビエーター]]の方向感覚も失われる。~
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この状態を抜け出すためには、機体スピードが必要になる。そのため、まずエンジン[[推力]]を上げること、また、出来れば機首下げ動作を行い、増速する必要がある。~
このとき高度を上げようと焦って機首上げ動作を行えばますます危険な状態に陥る。~
主に低速域での飛行を強いられる[[離>離陸]][[着陸]]時に陥る事が多く、[[航空機]]が[[墜落]]する主要な原因の一つである。~
このため、失速状態からの制御回復は[[操縦士>エビエーター]]に要求される必須技能とされる。~
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安定した[[飛行機]]は通常、失速に陥ると機首下げ状態となる。また、[[先尾翼]]機では前翼が先に失速するように設計することにより、機首下げ状態とする。~
十分な高度があれば、余裕を持って対処することが出来る。~
[[固定翼機]]は前進する事で[[主翼]]の上下面に空気の流れ(気流)をつくり、発生した[[揚力]]によって上に持ち上がっている。~
この[[揚力]]の強さは速度を上げることや、機体の[[ピッチ]]方向に[[迎え角]]を増すことで増加する。~
しかし、[[固定翼機]]には構造的な[[迎え角]]の限界があり、これを超えると[[主翼]]を流れていた気流の剥離が発生する。~
この状態に陥ると[[揚力]]が激減、急速に[[高度]]が落ちていく。~
この"主翼の気流が剥離した状態"を「失速」と呼ぶ。~
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出来るだけ低速飛行が必要な着陸時に陥ることが多く、[[航空事故]]原因のかなりを占める。~
失速からの回復方法として一般的なのは、[[推力]]を上げて加速しながら[[機首]]を下げ、[[迎え角]]が小さい状態で機体を安定させる、というものである。~
ただし、多くの[[飛行機]]は[[静安定性]]を持っていて、操縦を放っておいても失速した場合は[[機首]]が下がるように設計されている。~
したがって、十分な[[高度]]と余裕のある心理状態で行う限り、失速への対処はそれほど難しい事ではない。~
しかし、混乱した[[操縦士>エビエーター]]は[[高度]]を確保するために焦って[[機首]]を上げ、[[迎え角]]をさらに大きくして失速を悪化させる事がある。~
また、失速が発生した[[高度]]によっては十分な時間的余裕がなかったり、対処が物理的に不可能な場合もある。~
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他には、[[音速>マッハ]]付近で翼面に部分的に発生する衝撃波により気流が乱されることによる失速もある。これを解決するには、[[衝撃波]]が発生しなくなるまで速度を落とすか、[[衝撃波]]が気流を乱さなくなる速度([[超音速]])まで上げる必要がある。~
[[戦闘機]]や[[曲技機]]の[[マニューバー]]では、一時的に失速する事を前提とする操作もある。~
急激な落下は即ち急激な移動でもあり、戦闘[[機動]]や見栄えとしては必ずしも悪くないからだ。~
しかし、これに失敗したまま失速し続けて[[墜落]]に至る事故も度々発生している。~
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関連:[[ディープストール]]
また、[[音速>マッハ]]付近では[[音の壁]]の衝撃波で気流が乱されて失速する場合もある。~
これには衝撃波が発生しなくなるまで減速するか、逆に機体全体が音速を越えるまで加速する事で対処できる。~
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関連:[[ディープストール]] [[フラップ]]


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