【自走砲】(じそうほう)

車両に搭載され、単独で自ら走って機動する事ができる野戦砲
他の車両や軍馬に牽引させたり、現地で組み立てたりする必要がないため、機動力が高い。
これは特に電撃戦浸透作戦などの攻勢や、劣勢時に撤退する際に有利になる。

戦車との違いは、自身が攻撃対象になった場合の防御をどこまで想定しているかによる。
戦車は同等の戦車に撃たれる事を想定して対応防御を施されるが、自走砲はたいてい十分な装甲を持たない。
また、回避機動と反撃を同時に行う事も想定されず、砲の配置に多少の不備がある事が多い*1

また、砲兵以外の兵科で運用される車両は、それが火砲を搭載していても「自走砲」とは呼ばない。
例えば、歩兵戦闘車には往時の突撃砲に匹敵する火力が備えられているが、それは歩兵を輸送・保護するための一手段に過ぎない。
従って、自走砲と違って作戦中に最大限の火力を発揮する義務はないし、また実際、発揮せずに済むならその方が望ましい。
砲兵と違い、どこにどれだけの火力を投入するかを作戦立案段階で綿密に計画できるわけではないからだ。

自走砲の分類


*1 古い設計では火砲がボルトなどで固定され、正面にしか撃てなくなっているものが多い。
  近年の設計では間接砲撃に特化し、近接距離には照準を合わせにくい構造になっている事が多い。


トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS