【自走迫撃砲】(じそうはくげきほう)

迫撃砲を装甲車輌に搭載し、機動力と防御力の向上を図ったもの。

基本的に、値段や歩兵部隊との共通運用を考慮して、(M113ピラーニャ等の)APCに天蓋やターンテーブルを増設するなどして、81mm〜120mmの既存の迫撃砲を搭載した物が一般的である。
元々、迫撃砲は対迫レーダー等で射撃地点を割り出し易く更に短射程の為、反撃を受ける危険性が高いが、自走式では攻撃からの移動の時間を短縮出来、防御力および機動力において牽引式よりも高い。
そして、近年の迫撃砲の能力は従来の105mmクラス軽野砲に匹敵、もしくは超える為、多くの国で自走化されている。

欠点としては、単純な牽引式よりも高価になってしまう点である。
たとえば、陸上自衛隊で運用している96式自走120mm迫撃砲?の場合は、元々、自衛隊の装備品全般が(武器輸出三原則等の関係で)他国よりも高価とされていることに加え、更に車体を新規開発*1としている為、調達価格が1両当たり約2億2,000万円と(74式戦車の2/3程度の)高価になってしまっている。

ちなみに最近では、オープントップ車体では上方からの攻撃に弱い為、新開発の後装式迫撃砲を搭載することとして砲塔形式を取っている車両も複数開発されている。
このタイプでは通常の曲射だけでなく、水平射撃も可能となっている。
砲塔式の自走迫撃砲には、2S31「ヴェーナ」(ロシア)やAMOS/NEMO(スウェーデン・フィンランド共同開発)などがある。


*1 ただし、エンジン・足周り等、既存車輌から流用している部分も多い。

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