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*&ruby(じえいかん){【自衛官】}; [#jdd7271b]
[[防衛省]]職員のうち、[[自衛隊]]の隊務に従事する特別職国家公務員。またはその官名。~
具体的には[[自衛隊員]]のうち、「[[制服組]]」と呼ばれる隊員を指す。~
~
採用区分により、大きく以下の通り分けられている。~
-常備自衛官~
いわゆる「正規兵」。
いわゆる「[[正規兵>戦闘員]]」。
--幹部自衛官~
[[旧軍>日本軍]]や外国軍の[[将校]]([[士官]](([[海上自衛隊]]では「幹部」と並んで公式にも「士官」の語が用いられている。)))にあたる身分で、[[部隊]]・艦船の指揮や高度な専門技術を発揮すべき分野に勤務する。~
[[旧軍>日本軍]]や外国軍の[[将校]]([[士官]](([[海上自衛隊]]では「幹部」と並んで公式にも「士官」の語が用いられている。)))にあたる身分で、[[部隊]]・[[艦船>艦艇]]の指揮や高度な専門技術を発揮すべき分野に勤務する。~
採用区分により、更に下記のコースが存在する。
---[[一般幹部候補生>士官候補生]]~
一般の大学卒業後に自衛隊への入隊(就職)を希望し、幹部候補生採用試験に合格した者。~
一般の大学卒業後に自衛隊への入隊(就職)を希望し、[[幹部候補生>士官候補生]]採用試験に合格した者。~
受験資格は20歳〜26歳(大学院卒業予定者は28歳まで)。~
幹部候補生学校卒業後、大卒者は三尉・大学院卒業者は二尉に任官される。
---[[防衛大学校]]本科学生~
---[[防衛大学校]][[本科学生>士官候補生]]~
[[防衛大学校]]卒業後、幹部候補生学校を経て任官される。~
部内では「Bコース」「B幹」などと呼ばれ、他コース出身の同期生(相当者)に比べて出世が早い傾向にある。
---医科幹部候補生~
---[[医科幹部候補生>士官候補生]]~
[[防衛医科大学校]]の卒業生。~
医師国家試験に合格して免許を取得すると二尉に任官され、[[防衛医官]]((旧軍でも、軍医は中尉以上であり、若い軍医中尉はグンチュウと呼ばれた。))として勤務する。
---歯科/薬剤科幹部候補生~
医師国家試験に合格して免許を取得すると[[二尉>尉官]]に任官され、[[防衛医官]](([[旧軍>日本軍]]でも、軍医は[[中尉>尉官]]以上であり、若い軍医中尉はグンチュウと呼ばれた。))として勤務する。
---[[歯科/薬剤科幹部候補生>士官候補生]]~
大学で歯学・薬学の専門課程を学んだ学生が採用される。~
採用後、国家試験に合格して免許を取得すると歯科医は二尉、薬剤師は三尉に任官される。
---飛行幹部候補生~
[[航空学生]]課程([[航空自衛隊]]・[[海上自衛隊]])もしくは[[陸曹航空操縦学生]]課程([[陸上自衛隊]])を修了した隊員。~
幹部教育と操縦訓練を受けた後、[[パイロット>エビエーター]]・[[戦術航空士]]として勤務する。
---[[飛行幹部候補生>士官候補生]]~
[[航空学生]]課程([[航空自衛隊]]・[[海上自衛隊]])を修了した、もしくは[[陸曹航空操縦学生]]課程([[陸上自衛隊]])を受講中の隊員([[下士官]])。~
[[幹部>士官]]教育と操縦訓練を受けた後、[[パイロット>エビエーター]]・[[戦術航空士]]として勤務する。
---貸費学生~
[[防衛省]]による奨学金制度。~
卒業後に自衛隊で一定期間勤務する事を条件に、奨学金の返済義務が免除される。~
防衛大臣が指定した[[職種]]・[[職域]]に相当する技術系学科の大学生・大学院生が対象((この意味で、[[アメリカ軍]]及びその同盟国軍の「[[ROTC>予備役将校訓練課程]]」とは性格が異なる。))。~
---技術海上幹部(公募)~
実務経験を持つ技術者を、[[海上自衛隊]]の二尉もしくは一尉として中途採用するもの。~
実務経験を持つ技術者を、[[海上自衛隊]]の[[二尉もしくは一尉>尉官]]として中途採用するもの。~
---医科/歯科幹部(公募)~
実務経験を持つ医師・歯科医師を二尉から二佐までの待遇で中途採用するもの。~
[[自衛隊]]発足当初の防衛医官は全てこのコースで採用されていた。~
実務経験を持つ医師・歯科医師を二尉から[[二佐>佐官]]までの待遇で中途採用するもの。~
[[自衛隊]]発足当初の[[防衛医官]]は全てこのコースで採用されていた。~
~
--曹士~
[[旧軍>日本軍]]や外国軍の[[下士官]]・[[兵卒]]に相当する身分で、[[部隊]]・艦船の人的戦力の中核となり、[[指揮官たる幹部自衛官>士官]]の指揮・命令を受けて各種の任務を遂行する。~
幹部同様、採用区分によって更に以下の通り分けられている。
---[[自衛官候補生]](任期制隊員)
---一般曹候補生(非任期制隊員)~
将来、曹となるべき人材を養成するためのコース。~
将来、[[曹>下士官]]となるべき人材を養成するためのコース。~
ただし、勤務成績が不振で曹への昇進が見込めないときは資格が失われることもある。
---[[高等工科学校生徒]]([[陸上自衛隊]]のみ)
---[[航空学生]]([[海上自衛隊]]・[[航空自衛隊]])~
課程修了後、上記の「飛行幹部候補生」として操縦訓練と幹部教育を受ける。
---公募技術海曹
---公募技術空曹
課程修了後、上記の「[[飛行幹部候補生>士官候補生]]」として操縦訓練と[[幹部>士官]]教育を受ける。
---[[公募技術海曹>下士官]]
---[[公募技術空曹>下士官]]

-[[予備自衛官]]([[旧軍>日本軍]]や外国軍隊における[[「予備役」「後備役」「在郷軍人」>予備役]])
--[[即応予備自衛官]]([[陸上自衛隊]]にのみ存在)
--[[予備自衛官補]](陸上自衛隊・[[海上自衛隊]]に存在。一定期間の訓練を受けることで[[予備自衛官]]に登用される)

-[[任期付自衛官]]

-[[予備自衛官補]](陸上自衛隊・[[海上自衛隊]]に存在)

**階級 [#v08d8628]
現在の自衛官の[[階級]]区分を以下に記す。~
なお、参考までに[[旧軍>日本軍]]における階級との概ねの対比((一般に、制服自衛官の地位は旧軍の軍人に比べ、二階級低いと云われている。))を付記する。
|>|区分|>|[[NATO階級コード>NATO階級符号]]&br;(参考)|呼称|[[陸上自衛隊]]|[[海上自衛隊]]|[[航空自衛隊]]|旧帝国陸軍|旧帝国海軍|
|>|区分|>|[[NATO階級コード>NATO階級符号]]&br;(参考)|呼称|[[陸上自衛隊]]|[[海上自衛隊]]|[[航空自衛隊]]|旧帝国陸軍|旧帝国海軍((1942年3月以降の最終状態。))|
|>|~|国内|国外|~|~|~|~|~|~|
|[[幹部>士官]]|[[将官]]クラス|>|OF-9|[[将(甲)>将(自衛官)]]((統合幕僚長及び陸上・海上・航空の各幕僚長職にある者が任じられる。))|陸将(甲)|海将(甲)|空将(甲)|[[大将]]|[[大将]]|
|~|~|OF-8|OF-8((陸上総隊司令官、方面総監、自衛艦隊司令官、地方総監([[海上保安庁]]の管区本部よりも格上という兼ね合いから例外的に舞鶴、大湊を含む。)、航空総隊司令官などの職にある者が対外的にOF-8に対応。))|[[将(乙)>将(自衛官)]]|陸将(乙)|海将(乙)|空将(乙)|[[中将]]|[[中将]]|
|~|~|~|OF-7((師団長、護衛艦隊司令官、航空集団司令官、潜水艦隊司令官、航空方面隊司令官などの職にある者が対外的にOF-7に対応。))|~|~|~|~|[[少将]]|[[少将]]|
|~|~|OF-7|OF-6((旅団長、群司令、航空団司令などの職にある者が適用。))|[[将補>将補(自衛官)]]|陸将補|海将補|空将補|>|該当なし|
|~|~|OF-8|OF-8(([[陸上総隊]]司令官、方面総監、[[自衛艦隊]]司令官、地方総監([[海上保安庁]]の管区本部よりも格上という兼ね合いから例外的に舞鶴、大湊を含む。)、[[航空総隊]]司令官などの職にある者が対外的にOF-8に対応。))|[[将(乙)>将(自衛官)]]|陸将(乙)|海将(乙)|空将(乙)|[[中将]]|[[中将]]|
|~|~|~|OF-7(([[師団]]長、[[護衛艦隊>艦隊]]司令官、航空集団司令官、[[潜水艦隊>艦隊]]司令官、[[航空方面隊]]司令官などの職にある者が対外的にOF-7に対応。))|~|~|~|~|[[少将]]|[[少将]]|
|~|~|OF-7|OF-6(([[旅団]]長、群司令、[[航空団]]司令などの職にある者が適用。))|[[将補>将補(自衛官)]]|陸将補|海将補|空将補|>|CENTER:(該当なし)|
|~|[[佐官]]クラス|>|OF-5|一佐|一等陸佐|一等海佐|一等空佐|大佐|大佐|
|~|~|>|OF-4|二佐|二等陸佐|二等海佐|二等空佐|中佐|中佐|
|~|~|>|OF-3|三佐|三等陸佐|三等海佐|三等空佐|少佐|少佐|
|~|[[尉官]]クラス|>|OF-2|一尉|一等陸尉|一等海尉|一等空尉|大尉|大尉|
|~|~|>|OF-1|二尉|二等陸尉|二等海尉|二等空尉|中尉|中尉|
|~|~|>|~|三尉|三等陸尉|三等海尉|三等空尉|少尉|少尉|
|曹士|[[曹クラス>下士官]]|>|OR-9|准尉((他国の同名階級とは異なり、[[NATO>北大西洋条約機構]]の統一階級コードでは「OR-9」、[[アメリカ軍]]では「[[(最先任)上級曹長>曹長]]」におおむね相当する。&br;  なお、現在の自衛隊に「[[准士官]]」制度はない。))|准陸尉|准海尉|准空尉|准尉|兵曹長|
|~|~|>|OR-8|[[曹長]]|陸曹長|海曹長|空曹長|>|(該当なし)|
|曹士|[[曹クラス>下士官]]|>|OR-9|准尉((他国の同名階級とは異なり、[[NATO>北大西洋条約機構]]の統一階級コードでは「OR-9」、[[アメリカ軍]]では「[[(最先任)上級曹長>曹長]]」におおむね相当する。&br;  なお、現在の自衛隊に「[[准士官]]」制度はない。))|准陸尉|准海尉|准空尉|准尉|兵曹長|
|~|~|>|OR-8|[[曹長]]|陸曹長|海曹長|空曹長|>|CENTER:(該当なし)|
|~|~|>|OR-7|一曹|一等陸曹|一等海曹|一等空曹|曹長|上等兵曹|
|~|~|>|OR-6|二曹|二等陸曹|二等海曹|二等空曹|軍曹|一等兵曹|
|~|~|>|OR-5|三曹|三等陸曹|三等海曹|三等空曹|伍長|二等兵曹|
|~|~|>|OR-4|>|>|>|CENTER:(該当なし)|兵長|水兵長|
|~|[[士クラス>兵卒]]|>|OR-3|士長|陸士長|海士長|空士長|上等兵|上等水兵|
|~|~|>|OR-2|一士|一等陸士|一等海士|一等空士|一等兵|一等水兵|
|~|~|>|OR-1|二士|二等陸士|二等海士|二等空士|二等兵|二等水兵|
|~|~|>|OR-D|>|>|>|CENTER:自衛官候補生|>|(該当なし)|
|~|~|>|OR-D|>|>|>|CENTER:自衛官候補生|>|CENTER:(該当なし)|
~
この他、かつては二士の下に「三士(三等陸海空士)」という階級があり、[[自衛隊生徒>少年自衛官]]の初任階級として運用されていたが、海自・空自における「[[生徒>少年自衛官]]」制度の廃止と陸自での「[[高等工科学校生徒]]課程」への改編にともなって空位となり、2010年10月31日限りで廃止された。~
~
近年、[[PKF>国連軍]]などで他国の軍隊と共同で行動する場面が増えていることや幹部自衛官の平均年齢が高くなっていることなどから、上記の階級に加えて「[[准将]]」「[[代将]]」や「上級曹長」などの導入も必要と考えられているが、現時点では、これに関する具体的な動きは見られない。

**幹部自衛官における問題 [#p196b61f]
近年、公務員の中で幹部自衛官が異様な低学歴であることが問題となっている。~
しかもそれは[[アメリカ軍]]や韓国軍にも劣るレベルだという。~
~
原因は第一に諸外国の軍隊に比べ知性を軽視している事。第二に専門知識や学問に対する軽視(([http:///www.president.jp/articles/-/26144 自衛隊幹部が異様な低学歴集団である理由]))である。~
結果、平和安全法制以後、アメリカ軍などの共同作戦や演習の中で深刻な問題になっているという。~
それは高等教育で学ぶ抽象的思考が欠如し、近年のアメリカ軍の作戦コンセプトが抽象的思考を重視する傾向が一層強まっている中、共同作戦や演習のための意思疎通ができなくなり、実際に日米共同の現場で多くの幹部自衛官が限界を感じているという。~
~
第二に根性論の重視。根性論とパワハラ全開の組織運用は人格否定と非効率という歪さに繋がっている。~
以上の事から、アメリカ軍を倣って幹部自衛官にも学位を取らせるべきであるし、他省庁と同様に留学させるべきとしている。~
自衛隊幹部だけが公務員の中で教育の機会を与えられず、中学校レベルの根性論とパワハラの中で勤務させられるのでは差別的待遇でしかないという。


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