【自衛官】(じえいかん)

防衛省職員のうち、自衛隊の隊務に従事する特別職国家公務員。またはその官名。
具体的には自衛隊員のうち、「制服組」と呼ばれる隊員を指す。

採用区分により、大きく以下の通り分けられている。

  • 常備自衛官
    • 幹部自衛官
      採用区分により、更に下記のコースが存在する。
      • 一般幹部候補生
        一般の大学卒業後に自衛隊への入隊(就職)を希望し、幹部候補生採用試験に合格した者。
        受験資格は20歳〜26歳(大学院卒業予定者は28歳まで)。
        幹部候補生学校卒業後、大卒者は三尉・大学院卒業者は二尉に任官される。
      • 防衛大学校学生
      • 医科幹部候補生
        防衛医科大学校の卒業生。
        医師国家試験に合格して免許を取得すると二尉に任官され、防衛医官として勤務する。
      • 歯科/薬剤科幹部候補生
        大学で歯学・薬学の専門課程を学んだ学生が採用される。
        採用後、国家試験に合格して免許を取得すると歯科医は二尉、薬剤師は三尉に任官される。
      • 飛行幹部候補生
        航空学生課程(航空自衛隊海上自衛隊)もしくは陸曹航空操縦学生課程(陸上自衛隊)を修了した隊員。
        幹部教育と操縦訓練を受けた後、パイロット戦術航空士として勤務する。
      • 貸費学生
        防衛省による奨学金制度。
        卒業後に自衛隊で一定期間勤務する事を条件に、奨学金の返済義務が免除される。
        防衛大臣が指定した職種職域に相当する技術系学科の大学生・大学院生が対象。
      • 技術海上幹部(公募)
        実務経験を持つ技術者を、海上自衛隊の二尉もしくは一尉として中途採用するもの。
      • 医科/歯科幹部(公募)
        実務経験を持つ医師・歯科医師を二尉から二佐までの待遇で中途採用するもの。
        自衛隊発足当初の防衛医官は全てこのコースで採用されていた。

階級

現在の自衛官の階級区分を以下に記す。
なお、参考までに旧軍における階級との概ねの対比を付記する。

区分陸上自衛隊海上自衛隊航空自衛隊旧帝国陸軍旧帝国海軍
幹部将官クラス将(甲)*1陸将(甲)海将(甲)空将(甲)大将大将
将(乙)陸将(乙)海将(乙)空将(乙)中将中将
将補陸将補海将補空将補少将少将
佐官クラス一佐*2一等陸佐一等海佐一等空佐大佐大佐
二佐二等陸佐二等海佐二等空佐中佐中佐
三佐三等陸佐三等海佐三等空佐少佐少佐
尉官クラス一尉一等陸尉一等海尉一等空尉大尉大尉
二尉二等陸尉二等海尉二等空尉中尉中尉
三尉三等陸尉三等海尉三等空尉少尉少尉
准士官クラス准陸尉准海尉准空尉准尉兵曹長
曹士曹クラス曹長陸曹長海曹長空曹長(該当なし)上等兵曹
一曹一等陸曹一等海曹一等空曹曹長一等兵曹
二曹二等陸曹二等海曹二等空曹軍曹二等兵曹
三曹三等陸曹三等海曹三等空曹兵長
(該当なし)(該当なし)(該当なし)伍長(該当なし)
士クラス士長陸士長海士長空士長兵長
上等兵
上等水兵
一士一等陸士一等海士一等空士一等兵一等水兵
二士二等陸士二等海士二等空士二等兵二等水兵


この他、かつては二士の下に「三士(三等陸海空士)」という階級があり、自衛隊生徒の初任階級として運用されていたが、海自・空自における「生徒」制度の廃止と陸自での「高等工科学校生徒課程」への改編にともなって空位となり、2010年10月31日限りで廃止された。


*1 統合幕僚長及び陸上・海上・航空の各幕僚長職にある者が任じられる。
*2 一部の者は外国の軍隊でいう「准将」「代将」に相当する職務についている。

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