【自衛官候補生】(じえいかんこうほせい)

自衛隊において、2010年度から採用された自衛官任期制隊員)の採用区分。
(諸外国軍の「兵卒」に当たる)任期制の二等陸海空士として採用される予定の者を、初期の基礎教育期間中に自衛官としての階級・身分を与えずに教育に専念させるもので、一般の企業などでいう「仮採用」「試用期間」に相当する。

従来、任期制の隊員は採用と同時に二士の階級を与えて自衛官としていたが、自衛隊法第41条において
「隊員の採用はすべて条件附のものとし、その隊員がその職において6月を下らない期間を勤務し、その間その職務を良好な成績で遂行したときに正式のものとなる。」
と定められていることから、採用初期の基礎教育期間*1中の者を自衛官防衛省職員の定数から外し、教育期間の終了を以って正式の隊員に登用することとしたものである。

候補生の期間は3ヶ月を基準とし、教育訓練に要する期間を勘案して防衛省令で定められている。
教育終了時に本人の希望と適性に応じて職種が決定され、その後、教育隊や術科学校での専門教育を経て各部隊へ配属される。

この際、候補生には「任用一時金」が支給されるが、これは任官後、1年3ヶ月未満で依願退職した際には返還しなければならない。
また、この一時金は税法上「雑収入」となるため、個人で確定申告を行う必要がある。

2009年6月に公布された「防衛省設置法の一部を改正する法律」により2010年7月1日から施行され、2011年3月・4月入隊の任期制隊員から制度開始となった。


*1 陸上自衛隊では「新隊員前期教育」、航空自衛隊では「新隊員教育」、海上自衛隊では「練習員」と呼ばれている。

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