【時限信管】(じげんしんかん)

爆弾の起爆装置「信管」の一種。
内蔵の時計(タイムスイッチ)が特定の時刻を指した時*1にスイッチが入り、起爆する。
いつ爆発するかを正確に予測できるのが強みで、特に特殊作戦暗殺に適する。

かつては高射砲弾にも採用されており、状況から敵機に最も近づくタイミング*2を計算し、その時間に爆発するようにタイマーをセットして発射していた。
しかしこの計算はきわめて困難であり、しばしば目算が狂った*3ため、撃墜率は非常に低かった。
そのため、1944年に近接信管が実戦配備された後は急速にその座を奪われていった。


*1 たとえば「スイッチを押した5秒後」「タイマーをセットしてから3日後の午後7時」等々。
*2 目標となる航空機高度速度・予想針路・砲の仰角・弾の初速などから数学的に割り出す。
*3 高射砲の項にもあるように、高度や速度は地上から観測して割り出さねばならないし、目標が急に針路を変える可能性もあれば、砲弾が飛翔中の気流の状況も不確実と、変動するパラメータが多岐にわたり、正確な値を求めることはほぼ不可能だった。

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