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【紫電】 †
日本海軍の局地戦闘機。
大東亜戦争中期、海軍から局地戦闘機試作を命じられた川西?が、その要求に応えるために、水上戦闘機強風を改造して製作した。
ほとんど水上機そのままの形で陸上機化したため、構造上無理が生じ、性能も凡庸で要求を満たすことは出来なかったが、重武装、比較的優れた運動性を評価され採用された。
しかし、大戦後半の日本機のご多分に漏れず、稼働率は極めて低調だったものの、零戦以外手駒の無い海軍にとって、米軍新型機と戦う上で貴重な戦力であった。
エンジンが不調でなければ、F6Fに対して優位に戦える能力があった様である。
その後中途半端な性能の大改修が行われ、紫電改が生まれた。
余談だが、日本機に似つかわしくないずんぐりした胴体が米軍のグラマン戦闘機によく似ており、よく敵と誤認されたそうである。
性能諸元(11型) †
機体略号:N1K1-J
全長:8.885m
全高:4.058m
全幅:11.99m
翼面積:23.5m²
自重:2,897kg
全備重量:3,900kg
発動機:誉二一型(離昇1,990馬力)
最高速度:583km/h(高度5,900m)
実用上昇限度:12,500m
航続距離:1,432km(正規)/2,545km(過荷)
武装:主翼下ポッド20mm機銃2挺(携行弾数各100発)、機首7.7mm機銃2挺(携行弾数各550発)
爆装:60kg爆弾4発、250kg爆弾2発
バリエーション †
- 十五試水上戦闘機/強風一一型(N1K1)
紫電シリーズのベースとなった水上戦闘機。
発動機は「雷電」と同じ火星一三型を搭載。
武装は翼内20mm機銃2挺、胴体7.7mm機銃2挺。試作一号機のみ二重反転プロペラを装備。
- 仮称一号局地戦闘機/紫電一一型(N1K1J)
発動機を火星一三型から誉二一型に換装した陸上戦闘機型の極初期型。
武装は翼下の20mmガンポット機銃2挺、胴体7.7mm機銃2挺。
- 紫電一一甲型(N1K1Ja)
胴体の7.7mm機銃を廃止し、翼内20mm機銃を4挺にした武装強化型。
- 紫電一一乙型(N1K1Jb)
翼下の20mmガンポット機銃を廃止して翼内に20mm機銃4挺を内蔵した戦闘爆撃機型。
250kg爆弾2発搭載可能。増速用に火薬ロケット6本を装着した機体も存在。
- 紫電一一丙型(N1K1Jc)
一一乙型の爆装を60kg爆弾4発または250kg爆弾2発に強化した戦闘爆撃機型。試作のみ。