【師団】(しだん)

Division.
主として陸軍における戦闘部隊の単位のひとつ。
大半の国家が採用する編成であるため、陸軍兵力の概数を指し示す国際単位としても用いられる。
また、近現代の陸上戦において戦略的に扱われる部隊の基本単位でもある*1

つまり、ある師団の司令部と連絡が取れなくなった場合、その師団は全滅したものと仮定される。
隷下の部隊が健在であっても、その部隊が上層部から継続的に指令を受ける事はない。
死守撤退が命じられるか、近隣の師団に組み込まれ、後は続報あるまで忘れ去られる。

指揮官(師団長)はいわゆる「将軍閣下」で、階級的には少将中将程度が妥当とされる。

「師団」に必要とされる兵力

師団は、その軍で想定される一般的な軍事作戦を一切の外部支援なく実行できる事を要求される。
即ち、陸上戦闘に不可欠な全種類の部隊を、作戦に必要な規模で指揮下に置かなければならない*2
現代の場合、その条件を満たすために不可欠とされる兵科は概ね以下の通り。

1個師団を構成する人員の規模は、想定される戦場の広さによる。
大陸国家の場合、広大な前線を形成するため10,000人以上を必要とする。
海軍重視の戦略を採る場合や国土が狭い場合、6,000〜9,000人程度の小規模師団*3も編成される。
大規模になりすぎると戦略レベルでの機動力を失うため、1個師団が15,000人を上回る事は基本的にない。

陸上自衛隊における「師団」

陸上自衛隊においては列国の陸軍と同様、戦略的部隊単位の基本として「師団」(及び旅団)を置いており、2014年現在で9個師団(機甲1、機械化歩兵1、自動車化歩兵6及び軽歩兵1)が置かれている。
指揮官である「師団長」には、列国の陸軍中将に相当する「陸将(乙)」の階級にある自衛官が充てられているが、このうち、第7第9および第10師団の師団長については、俸給が旅団長と同額であるという。
今後の改編では、特科戦車部隊の縮小が現実味を増しており、師団と旅団の差異は嘗てのフランス陸軍*4の様に益々意味の無いものになっていくのではないかと思われる*5


*1 ただし近年では、国家総力戦思想の退潮に伴って師団の概念を廃し、一回り小さい単位である旅団を基本的な戦略単位とする国も増えている。
*2 例外的に、特殊な命令しか受け持たないために極端に特化された師団も存在する。
  山岳地帯での戦闘しか行わない「山岳師団」、空挺部隊の運用のみを想定した「空挺師団」、戦略レベルでの火力支援を任務とする「砲兵師団」など。

*3 但し、この規模の兵力で「師団」を編成した場合「継戦能力の乏しさ」や「装備密度の過剰」を招くといった指摘もある。
  また、戦力的に増強旅団程度でしかないため、階級インフレを引き起こしたり、隷下部隊の充足率の低下を招く原因になる。

*4 彼の国では陸自と同規模の師団が存在していた頃、師団長も旅団長も准将の職であった。
*5 ちなみに、現在の陸自にとっての仮想敵のひとつであるロシア陸軍でも、「師団」は択捉島に駐留する「第18機関銃・砲兵師団」のみとなっており、旅団が戦略単位となっている。

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