【四式重爆撃機】(よんしきじゅうばくげきき)

三菱・キ67「飛龍」。

三菱航空機が設計、第二次世界大戦末期の1944年に日本陸軍に制式採用された双発の重爆撃機
「四式重爆」や「ロクナナ」などの略称がある。
連合軍でのコードネームは「Peggy(ペギー)」。

海軍の一式陸上攻撃機に似た外観であるが、機体をスリム化して操縦性を高めた。
そのため、単発機並みの運動性能を誇り、爆弾を搭載していない状態であれば曲技飛行もできると言われた。
また、急降下爆撃用の急降下速度計が装備されている。
航続距離は3,800kmと海軍の陸上攻撃機に比べれば劣るものの、それまで2,000km前後だった陸軍重爆に対しては格段に向上している。

1944年から生産が始まったが、アメリカ軍による空襲や工場の疎開などで量産化が進まず、実戦投入は遅れた。

生産の途中から雷撃機仕様に設計変更され、陸軍機ながら魚雷を搭載し台湾沖航空戦や九州沖航空戦、バリクパパンに出撃した*1
また、航続距離の長さを活かして沖縄戦でも多用された。

陸軍は良好な性能の当機を最重点生産機種のひとつに指定し、川崎航空機や陸軍立川航空廠でも生産された。
また、海軍航空隊にも「靖国」という名前で採用された。

派生型

  • キ109:
    爆撃機迎撃用の特殊防空戦闘機
    副操縦士席を廃し、機体を軽量化、八八式7.5cm野戦高射砲をベースにした、75mm対空砲「ホ501」を機首に搭載した。
    しかし、高高度性能不足のため当初の目的である迎撃任務ではさしたる戦果をあげることが出来なかった。

  • 軍用グライダー曳航機型:
    火砲を搭載可能な試作大型軍用グライダー「ク-7」を曳航するための改造機。

  • 電子機器搭載型:
    夜間雷撃の際に水面上空を飛行するため、「タキ-12」電波警戒器や「タキ-13」超低空用電波高度計を装備した機体。

  • 空中探照機型:
    胴体に探照灯を搭載する探知機型。
    キ109とペアで運用される。

  • 長距離爆撃改造型:
    サイパン島のB-29基地を爆撃するための長距離爆撃機型。
    翼端を延長し、軽量化のために胴体側面の銃座を廃止した。

  • ト号機:
    800Kg爆弾を機体に固定した特攻機型。

性能諸元

種別爆撃機
主任務戦術爆撃
乗員6〜8名
全長18.7m
全幅22.5m
全高7.7m
主翼面積65.85
全備重量13,765kg
発動機三菱ハ104 空冷式複列星型18気筒(出力:1,900馬力)×2基
速度
(最大/巡航)
537km/h / 400km/h
最大航続距離3,800km
上昇力14分30秒/6,000m
実用上昇高度9,470m
武装二式20mm機関砲×1門(胴体上部)、一式12.7mm機関砲×4挺(機首、胴体左右、尾部)
爆装・雷装50kg爆弾×15発、250kg爆弾×3発、500kg爆弾×1発、800kg爆弾×1発、800〜1,070kg魚雷×1発のいずれか



*1 海軍の天山や一式陸攻は損失が大きく、銀河も少数の配備であったため。

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