【散兵戦】(さんぺいせん)

兵を少人数を基本単位とする多くの分隊に分けて個別に行動させる戦術。
これによって全軍の統率は困難になり、短時間のうちに敵に壊滅的な被害を与える事は不可能になるが、自分達も短時間で壊滅的な被害を受けずに済む。
個々の分隊は少人数であるため各個撃破されやすくなるが、他の分隊が相互に囮として機能するため流れ弾で死傷する可能性は激減し、最終的に多くの人員を生存させる事ができる。

火器の登場以前の戦争では白兵戦が重要であり、弓などの弾幕を浴びながら突撃して敵陣に到達する事も十分な人数がいれば不可能ではないため、密集隊形を組んだ隊を援護するための斥候や先遣隊だけが散兵として行動していた。
現代でも火力が制限され白兵戦を避けられない状況(例えば暴徒化したデモ隊を殲滅せずに制圧する場合など)では散兵戦は自殺行為であり、大人数で密集して対処せざるを得ない。

火器の威力が増大し、数千人規模の密集集団を短時間で殲滅できるほどになると密集する事は自殺行為と同義になり、あらゆる歩兵は止むを得ない場合を除いて散兵戦を展開するようになっている。


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