【作戦】(さくせん)

Operation
「策戦」とも。

軍隊武装集団が軍事的目的を達成するために考案・実行する計画的な作業。
原則として、戦闘行為もしくは暗殺のために兵器を活用する暴力的な計画のみを指す。
また、予期せず発生してしまった偶発的な戦闘(遭遇戦)も含まれない*1

通常、ある作戦に参加する全ての人員は、参加する作戦について必要な情報を通知される。
作戦用の兵站を確保する際は、計画についての事前通知を行う事が必ず必要であるからだ。
1個師団以上の規模で全く想定外な作戦を実行する場合、兵站の調整にはおおむね数ヶ月を要する。
一国の全軍をもって新規の作戦を実行するには、ほぼどんな場合でも年単位の準備期間が必要になる。
軍隊が有事に迅速な作戦行動を行うには、何年も前からの想定と、研究と、準備が必須である。

膨大な金銭と資材が動くため、国家レベルでの作戦計画をスパイから隠蔽するのは不可能に近い。
とはいえ、概要はともかく詳細な作戦行動まで推定するのも極めて困難である。
このため、実際の戦争においてはしばしば「敵が想定できない奇抜な作戦を実行した陣営」が勝利する*2

日本史では「源義経の鵯越え」が有名であろう。
源氏6万・平家7万の大戦にあって、源義経が率いて突撃したのはわずか70騎の騎兵のみである。
しかし、その70騎は激戦の最中に全く想定外の奇襲を敢行し、敵の城をやすやすと炎上させた。
全く想定外のため平家の諸将は互いに裏切りを疑い始め、疑心暗鬼により士気が完全に崩壊。
平家軍は総大将自ら敵前逃亡に走るほどの大敗を喫し、平家一門の滅亡に至る発端となった。


*1 ただし、遭遇戦から始まった状況を解決するために新たな作戦が立案される事はある。
*2 もちろん、それは「戦術で覆せる程度」の戦力差しかない場合のみに限られる。
  どれほど理想的な作戦計画があっても、湾岸戦争でイラク軍が勝利する結末が有り得たとは考えにくい。


トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS