• 追加された行はこの色です。
  • 削除された行はこの色です。
*&ruby(さいごつうちょう){【最後通牒】}; [#n5cd1f86]
紛争当事国の一方が、平和的な外交交渉打ち切り自国の最終的要求を相手国に提出し、それが一定期限内に受け入れられなければ、平和的な交渉を打ち切ることを述べた外交文書のことである。
外交交渉やビジネスにおいて、交渉条件の譲歩・調整を行う意志がない事を明示する発言・文書。~
条件面などで折り合いが付かないまま時間が浪費される場合に、交渉を打ち切るために通達される。~
~
外交上の重大な局面で通達される場合、事実上の[[宣戦布告]]として扱われる事も多い。~
その場合の最後通牒は「期日までに全面的な合意が得られなければ[[宣戦布告]]する」旨が明示される。~
~
国際法において、開戦の条件を明示する最後通牒は公式な[[宣戦布告]]として扱われる((1907年にハーグで署名された「開戦に関する条約」を法的根拠とする。))。~
しかし、現代の国際常識において、最後通牒は必ずしも『紳士的』な態度を示すものとはみなされない。~
明白に理不尽な条件を付帯した、[[宣戦布告]]のみを目的としているとしか思えない最後通牒の例もある(([[第一次世界大戦]]における「オーストリア最後通牒」、[[太平洋戦争]]([[大東亜戦争]])における[[ハル・ノート]]など。))。~
そうした行為は国連憲章が禁止する「武力による威嚇」であると解釈され、現在では十分な法的正当性を備えていない。

だいだい多くの最後通牒は相手が受け入れない場合は[[戦争]]などの実力行使を行うことを宣言するものとなる。

1907年にハーグで署名された「開戦ニ関スル条約」で敵対行為の条件として、開戦宣言のほかに「条件附開戦宣言ヲ含ム最後通牒」の形式を認めた。

しかし現状は第一次世界大戦前のオーストリア最後通牒や[[ハル・ノート]]など、とうてい相手が受け入れられない要求を突きつけ、開戦の口実とするケースがほとんどである。

最後通牒は国連憲章が禁止する「武力による威嚇」に該当することもあり、もはやその法的意味を失っている。


トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS