【黒鉛炉】(こくえんろ)

原子炉のうち、減速材として黒鉛*1を使うもの。
黒鉛は中性子?を吸収しづらいため、核燃料として天然のウラニウムなどを使うことができ、また、黒鉛自体も容易に入手可能なこともあって、最初期の原子炉はこの形態が主流だった。

当初、原子爆弾用のプルトニウムを生成するために実用化され、その流れで初期の原子力発電所にも用いられたが、軽水炉重水炉に比べてエネルギー効率が悪く、発電など熱源・動力利用の分野においては次第に廃れていった。
現存する黒鉛炉は、発電とプルトニウム生成を兼ねたものがほとんどである。
1986年に大規模な炉心融解と放射能汚染という大惨事を引き起こした旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所は、「RBMK」と呼ばれる特殊な黒鉛炉を採用していた。


*1 グラファイト。日本名は鉛の一種と誤解されていた時代の名残であり、実際は炭素分子の一種である。

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