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*&ruby(こくえんろ){【黒鉛炉】}; [#c4d249ba]
[[原子炉]]のうち、減速材として黒鉛((グラファイト。日本名からは鉛の一種と誤解されやすいが、炭素の一種である。))を使うもの。~
黒鉛は[[中性子]]を吸収しづらいため、核燃料として天然の[[ウラニウム>ウラン]]などを使うことができ、また、黒鉛自体も容易に入手可能なこともあって、最初期の[[原子炉]]はこの形態が主流だった。~
[[原子炉]]のうち、減速材として黒鉛((グラファイト。日本名は鉛の一種と誤解されていた時代の名残であり、実際は炭素分子の一種である。))を使うもの。~
最も安価な技術的投資で実用化できる[[原子炉]]だが、効率・性能において最も劣悪な[[原子炉]]でもある。~
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当初、[[原子爆弾]]用の[[プルトニウム]]を生成するために実用化され、その流れで初期の原子力発電所にも用いられたが、[[軽水炉]]や[[重水炉]]に比べてエネルギー効率が悪く、発電など熱源・動力利用の分野においては次第に廃れていった。~
現存する黒鉛炉は、発電と[[プルトニウム]]生成を兼ねたものがほとんどである。~
1986年に大規模な炉心融解と[[放射能]]汚染という大惨事を引き起こした旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所は、「RBMK」と呼ばれる特殊な黒鉛炉を採用していた。~
黒鉛は入手が容易であり、また未精製の天然の[[ウラニウム>ウラン]]を核燃料に使用できる。~
反面、黒鉛はかさばり、また別途に冷却材も用意しなければならないためさらにかさばる。~
この点で出力あたりの体積が非常に大きく、エネルギーを得る手段としては他種の[[原子炉]]に劣る。~
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当初は[[原子爆弾]]用の[[プルトニウム]]を精製するために実用化された。~
また、最初期の発電用原子炉としても稼働していたが、効率の悪さから[[軽水炉]]・[[重水炉]]の実用化に伴って廃れていった。~
現存する黒鉛炉は、主に[[プルトニウム]]精製施設として稼働しており、炉の出力は副産物に過ぎない。~
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関連:[[高温ガス炉]]


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