【高機動車】(こうきどうしゃ)

陸上自衛隊の旧73式小型トラックの後継として、1992年に正式採用された4輪駆動の小型トラック。形式は無く、これが正式名称である。
要するにアメリカ軍HMMWVの用途を模した車両で、形状も似ているがこれは単なる”偶然”である。
尚、陸上自衛隊には似た車両として軽装甲機動車が存在するが、全く互換性は無く用途も異なる。

その名の如く優れた機動性、走破性を備え、また日本国内の道路事情を反映して4輪操舵採用し、通常の乗用車並みに小回りが効き、また優れたハンドリングを持つ為、
その図体に似合わず4輪ドリフトも可能であり、当然タイヤがパンクしても行動可能である。尚、軽い装甲は施されているが、拳銃弾や砲弾の破片がが防げる程度である。
また、トヨタ自動車製故か、軍用車の割に乗り心地が非常に良く、駐屯地での体験搭乗では人気がある。

バリエーションも各種存在し、標準型、軽機関銃装備型、93式近距離地対空誘導弾装備型、96式多目的誘導システム?装備型などが存在し、
今後、擲弾発射機搭載型、指揮通信車なども予定されている。またイラクに派遣された車両は、対地雷装備として車体下面に簡単な装甲が施されている。

HMMWVと比較するとエンジン性能はほぼ同等だが、300kg以上軽く加速に優れ、4輪操舵の為小回りが効く。
反面、装甲防御に劣り、積載量が1500kgとHMMWVのそれより300kgほど少ない。また調達価格が約4倍の1000万円と破格なの欠点である。
またPKO?等でそれなりに耐久性も証明されているが、実際の戦場でまともに使えるかという、自衛隊兵器全般に特有の問題も有る。

尚、民間に販売される予定は無かったのだが、阪神大震災にてその優れた機動性、走破性が評価され、消防、警察、自治体などから販売の要請がなされ、トヨタ自動車より、
”メガクルーザー”の名で民間に販売された(現在は生産中止)。ちなみに民間型はエアコン装備である。


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